【コラム/春風秋霜】
◆県医師会などが呼びかけた「地域医療崩壊阻止のための県民総決起集会」が八8月2日に開かれ、建設会館大ホールが満席になった。「医療崩壊」はすでに社会の共通認識。社会保障費2200億円削減の撤廃が決議された。医療界がこれだけまとまり、多くの地元選出議員が賛同の挨拶に駆けつけたのも前代未聞。
◆産科医療の崩壊に拍車をかけた大野病院事件に無罪判決。決定的な最後の一撃は回避できたものの、これまでの警察の動き、マスコミによる犯罪者扱いのニュース…これで産科医が戻るとも思えない。医療はさまざまな要因がからみあって動いている。そのなかで医師たちは患者の生命を第一に考え、精一杯使命を果たそうとしている。昨日今日の知識で攻撃しないでほしい。
◆「メタボリック症候群」の診断ポイントとされた腹囲が国際的統一基準から外されることになった。この春スタートした特定健診からも腹囲測定が消えるかもしれない。当初から腹囲基準を疑問視する声は高かったが、それでも健診の現場では高い費用をかけてソフトを入れた。それが半年で見直しとは…。
◆10月から75歳以上の脳卒中や認知症患者の入院期間が90日を超えても、一律に診療報酬を減額しないことになったようである。受け皿のないまま在宅へ誘導しようとしたことが現場から批判されていた。
■群馬保険医新聞2008年9月号