【論壇】健康寿命を支える高齢者の「リ・ハビリテーション」

【2018. 11月 15日】

2017年版「超高齢社会白書」によると、総人口における65歳以上の高齢者の割合は、27・3%に達し、世界でも類をみないほどの超高齢社会に突入した。2025年には30・3%、2055年には39・4%となる見通しだ。
超高齢社会を支える15~64歳の現役世代の数は減少し続けている。2015年、高齢者一人に対する現役世代の数は2・3人であったが、2065年には、1・3人で高齢者一人を支えなければならないとの厳しい予測もある。少子高齢化がもたらす大きな問題だ。

超高齢化が進行する中、平均寿命と健康寿命をいかに近づけるかが、私たちに与えられた大きな課題である。
フレイル(年齢に伴った筋力や心身の活力が低下した状態)を早期に発見し、適切に介入することで、生活機能の維持、向上を図ることができる。フレイルに陥る前段階として、口の機能の衰え「オーラルフレイル」という言葉も定着しつつある。
昭和の時代、歯科治療は、う蝕、歯周病の治療が中心であり、歯の保存や欠損部の補綴といった医療で歯科の医療保険の構造は成り立っていた。平成も終わりを告げようとする現在、人生100年とも言われる時代になり、80歳になっても自分の歯が20本以上ある8020(はちまるにいまる)を達成した人の割合は、50%を超えた(2017年厚労省)。ところが「歯があっても食べられない、飲み込めない」といった現象が起きている。
高齢になると、四肢の筋肉機能が衰えてくることは知られているが、食べる筋肉、飲み込む筋肉等の衰えも同じように起こることが注目されてきている。
高齢者は、唾液の分泌量が減少し、舌、口腔周囲筋肉の機能の衰えから、歯があっても食べられない、飲み込めない状態に陥りやすい。今回の点数改定では、65歳以上でこれらの症状が該当する場合に、「口腔機能低下症」の診断名が新設され、口腔機能のリハビリに対応できるようになった。オーラルフレイル予防に積極的に介入する動きである。
次の7項目のうち3項目以上が認められれば「口腔機能低下症」と診断される。
①口腔衛生状態不良、②口腔乾燥、③咬合力低下、④舌口唇運動機能低下、⑤低舌圧、⑥咀嚼機能低下、⑦嚥下機能低下。
セルフチェック方法としては、次の8項目のうち、1項目でも該当すれば、口腔機能低下症を疑う。
①硬い物が食べにくくなった、②汁物を飲むときに時々むせるようになった、③口の中が乾くようになった、④薬を飲み込みにくくなった、⑤滑舌が悪くなった、⑥食事をするのに時間がかかるようになった、⑦食べこぼしをするようになった、⑧食後に口の中に食べ物が残るようになった。

一方、将来高齢者を支える子どもたちの口腔の発達の問題も指摘されている。
成人が備えている正常な口腔機能が加齢により衰え、獲得した機能が衰えた場合、元の機能に回復させることが、リ・ハビリテーションである。小児期においては、この口腔の機能が発達・獲得(ハビリテーション)する過程にあり、各成長のステージにおいて正常な状態が変化する中、機能の発達が遅れていたり誤った機能の獲得があればその修正・回復を早い段階で行うことが求められている。近年、こうした口腔機能の発達・獲得が不十分なまま成長することが問題視されており、今回の点数改定では、15歳以下における「口腔機能発達不全症」の診断名が新設された。
小児における口腔発達不全症を見極めるには、食べる機能、話す機能など、年代に応じた発達が獲得できているかを調べる必要がある。
食べる機能において、「歯の萌出に遅れがあるか」「歯並びやかみ合わせはどうか」「むし歯が多くあるか」「強くかみしめることができるか」「咀嚼時間が長すぎる、あるいは短すぎないか」、話す機能においては、「構音に障害があるか」「口唇を閉鎖できているか」「舌小帯に異常があるか」、その他には、口呼吸や口蓋扁桃の肥大、睡眠時のいびきの有無などを調べる。日常生活の中では、口がいつもポカンと開いている、食べるときにクチャクチャ音がする、硬いものを嫌がる、いつまでも口の中に食べものがあり飲み込みに時間がかかる、発音がはっきり出来ない、舌を「べー」っと出したときにハート型になる等がみられれば、口腔機能発達不全症が疑われる。

口腔機能をしっかり獲得していない現代の子どもたちが高齢となり、口腔機能が低下した時、現行のリハビリが通用しないことも考えられる。
超高齢社会において健康寿命を延ばすには、高齢者の口腔機能回復とともに、小児期の健全な成長・発達にも目を向けていくことが重要である。

(副会長 小山 敦)

■群馬保険医新聞2018年11月15日

【論壇】本庶佑氏らのノーベル賞受賞にあたって―がん患者と医師としての立場から

【2018. 10月 15日】

本庶佑氏(京都大特別教授)とジェームズ・アリソン氏(米・テキサス大教授)らのがん免疫療法の進歩に対する研究に、今年度のノーベル医学生理学賞が与えられた。私自身、がん患者の一人として、この受賞がとても身近に感じられ、今後の治療成績の向上に大きな期待を寄せたい。
リンパ球の働きについての詳細な知見も、私が学生だった半世紀近く前に比べて隔世の感がある。そして、免疫を高める、というテーマは、栄養や運動を専門とする職種の方々も含めて、多くの人々の関心事になっている。今回、免疫療法が、医学的にもがん治療の重要な選択肢として社会から注目された意義は大きい。
抗がん剤の点滴を受けながら、隣で治療を受けている肺がん患者と看護師の雑談が耳に飛び込んできた。「諦めていたけど、この薬で肺の影が消えたんだよ。もう治ったと思うよ」と、患者としての喜びを語っていたが、この薬というのが、今回ノーベル賞を受賞したニボルマブである。まだまだ限定的な効果であり、副作用がないわけではなく、今後さらに有効性を追求しなければならないが、これまでがんを治療するという大義名分で、体へのダメージの大きい治療しか選択肢のなかった分野で、生体の持つ免疫を活性化させて、非自己であるがん細胞に対処できるようになれば画期的であり、ノーベル賞受賞にも合点がいく。
そして、いつものことであるが、学術活動でもスポーツでも、国際的評価を受けると、にわかに国内中で騒ぎが始まる。同胞の喜びを共有することが悪いとは思わないが、せっかくの偉業から何かを学ぼうという姿勢が欲しい。
受賞後の記者会見で本庶氏は、これまでの研究を振り返り「失敗もあったが、挫折感はない。既成の考えを無批判に信じず、諦めずにきた」とコメントした。また、研究者の道に進む子どもたちに伝えたいことを問われ、「教科書に書いてあることを信じないこと、不思議だなと思う心を大切にすること」と重要なメッセージを送ったが、NHKのニュースではその部分は放送されなかった。一方で、拙速な研究成果を求め、成果を出した大学に補助金を増加するといった政府の成果至上主義への懸念も示している。日経新聞のインタビューでは、「政府は応用ばかり考えて、研究費が応用に流れすぎている」と問題を指摘したが、同紙最終版では、その部分は削られていた。
保険医として、今後の運用について心配なことは、ニボルマブの高薬価だ。当初100㎎73万円の薬価が付けられた。米国、英国等の価格との極端な差が指摘され、段階的に引き下げられたが、保険制度の継続という面からみれば、専門医の慎重な診断と実地臨床の場での乱用を避ける制度作りが必要だ。その時に高額な医療費が支払えない人が排除されることのないよう配慮するのは当然である。
(副会長・深澤尚伊)

■群馬保険医新聞2018年10月15日

【参加募集】 11月25日(日)歯科の体験アイデア発表交流会

【2018. 9月 15日】

歯科の体験アイデア発表交流会

■2018年11月25日(日)9:30~13:00
■県生涯学習センター4F 第一研修室(前橋市文京町2-20-22)

【プログラム】
第一部 体験アイデア発表
1 「楽しいオーラルフレイル予防に吹き戻しを活用して」
   青木真結氏(利根歯科診療所)

2 「心理学的手法を用いたTBI技術向上について」
   石井杏奈氏・須佐岳人氏(すさ歯科クリニック伊勢崎)

3 「当院における器材の再処理と日常管理」
   佐藤繭美氏・本山奈央子氏(石原総合歯科医院)

3 「自分で食べていただくことの大切さ」
   岡部愛氏・坂本布祐美氏(特別養護老人ホーム明風園)

第二部  特別講演
 「口から食べるための支援~フレイル予防には必須~」
  講師:白田千代子氏/ 歯科衛生士

【参加申し込方法】
どなたでも参加できます。
参加者の氏名(複数の場合は代表者)、お勤め先・学校名を書き、ファクス(027-220-1126)で申し込む。電話でも可。
保育を希望の方は、氏名(保護者、子ども)、年齢(子ども)、連絡先(電話番号)を書き、ファクスで申し込む。
締切は、11月16日(金)

<保険医新聞>【論壇】格差社会の広がり改善策進まぬまま

【2016. 4月 15日】

 4月から診療報酬改定がなされた。2年ごとにおおむねマイナス改定が繰り返されてきた。家計負担増による患者の減少と診療報酬マイナス改定によりダブルパンチにみまわれている。包括医療費支払い、7対1入院基本料等、入院患者の平均在院日数を短縮し、在宅等に復帰させるインセンティブが設けられ、意図的、政策的に医療需要を抑え、患者を入院から在宅へ施設から地域に押しだそうとする施策が続いてきた。その結果、医療難民、下流老人、介護離職など、さまざまな問題が噴出している。
 今から10年ほど前、所得・資産の再分配の不平等や格差社会のことが大いに論じられた。格差について、当時は経済学、行政、マスコミなどの世界でずいぶん議論されたが、いつの間にか世間の関心は遠のいてしまった。
 なぜ格差論は興味をを失われ、無視されるようになったのか。マスコミなどのように一時期の興奮が冷めてしまったか、あるいは所得の高い人のように、所得格差が拡大したことを公に認めようとしないか、または密かに認めていても所得の高さが槍玉に挙げられて高い税金をとられるかもしれないと恐れたか。高所得者たちは、格差社会論を無視し、改府の所得再分配政策に反対する立場にいる。経済学の分野でも、格差是正の政策が導入されると、経済成長にとってマイナスになると考え、経済効率を重視する立場から、格差は無視した方がよいと考える人がいる。企業経営者は、賃金格差を是正すると、有能で意識の高い労働者の賃金が低くなり、労働意欲が阻害され、生産性が悪くなりかねないと考える。
 所得格差は、お金持ち、貧富の格差、貧乏人の3つの論点がある。フランスの経済学者トマ・ピケティは、著書「21世紀の資本」の中で、資本主義の宿命として、高所得者、高資産保有者はますます富裕化するということを、理論と実証で明らかにしている。
 現在の日本において、餓死はそれほど発生しない。だが、それに近い貧困層、憲法で定める最低限の文化的な生括を送れていない人はかなりいる。その証拠として、主要先進国の中で、日本の貧困率はアメリカに次いで2位、16%の高さである。
 日本の格差の現実は、子どもや高齢者の貧困、男女間格差、正規労働者と非正規労働者の貸金格差、非正規労働者の増加、安すぎる最低賃金などがある。中でも特に最近では、高齢者の貧困、健康格差が大きな問題となっている。これらは高齢者になって突然出現するのではない。幼年期、少年期、青年期、中年期と、それぞれの時期をどう生きてきたかの積み重ねが原因となっている。高齢者の格差を是正するには、若いころの格差を是正しておかなければならない。国もようやく、保育園入園待機児童、非正規労働者の賃金格差問題に対応しはじめた。  
   (広報部 深井尚武)

■群馬保険医新聞2016年4月号

写真展下書き

【2015. 12月 11日】

第24回保険医写真展

<保険医新聞> 【診察室】スポーツ頭部外傷と適切な対応

【2015. 2月 15日】

前橋赤十字病院 脳神経外科  朝倉 健

 先日、フィギュアスケートの羽生結弦選手が中国大会における他の選手との衝突というアクシデントを乗り越えて、グランプリファイナルで鮮やかな4回転ジャンプを2本決めて連覇しました。羽生選手のさわやかな笑顔と底知れぬ才能と精神力に感動した方も多いと思います。その快挙を賞賛する声が多い中、けがをした時は本当に出場して大丈夫なのか心配しましたね。
 平成24年度、成人の週1回以上のスポーツ実施率は47.5%まで上昇しており、医療従事者がスポーツ外傷の現場に出くわすことは稀ではなく、専門家でなくてもスポーツ頭部外傷で何が重要でどのような対応を取るべきか、知っておいて損はありません。それでは脳振盪と急性硬膜下血腫に焦点を絞って解説いたします。

●脳振盪の症状
 近年、スポーツ頭部外傷における脳振盪への対応が重要視されています。
 脳振盪の症状は、一過性意識障害や健忘だけでなく、頭痛や気分不良などの幅広い症状を含んでいます。頭痛やめまい、耳鳴り、気分不良、ぼーっとするなどの自覚症状に加え、一時的な脳機能障害としての精神・認知機能障害、情動障害、平衡感覚障害、失見当識、反応時間の低下、易刺激性、睡眠障害など様々な他覚的症状のこともあります。最も多い症状は頭痛、次にdizziness(ぼーっとする)で、意識消失の頻度は10%程でさほど高くありません。認知障害は外傷から数時間遅れて生じることがあり、注意を要します。また、頭痛、dizziness、嘔気、倦怠感、眠気などの症状は次の脳振盪率を高める危険性が高い症状とも言われています。

●脳振盪の発生機序と危険因子
 脳振盪は回転加速度損傷で脳が揺さぶられることで生じます。脳の神経機能や反応速度が低下しますが、幼弱な脳ほど感受性が高く、反復損傷が起こるとさらに回復が遅くなり、脳振盪後には完全な休養と競技休止期間が必要です。
 まだ症状が残存している時期に復帰した際、2度目の軽い頭部外傷を受けた後に致死的な脳腫脹をきたすことがあり、セカンド・インパクト症候群と呼ばれています。発生機序として脳血管自動調節能の障害による急性脳腫脹が考えられていますが、急性硬膜下血腫である可能性もあり、その本体はなお明らかではありません。ただし致死的なスポーツ外傷を予防するという観点からは、最初の脳振盪症状が残存している時期での競技復帰は軽い外傷でも重症化する危険があり、頭痛などの症状が持続する場合にはCTやMRIで硬膜下血腫を除外しておくことが重要です。

●脳振盪の評価
 脳振盪に対して各スポーツ団体のガイドラインが作成され、脳振盪評価スケール(Sports Concussion Assessment Tool: SCAT)として発表されていますので提示いたします=表1。

●競技復帰基準
 脳振盪と診断したら、もちろん同日の復帰は不可です。十分な身体的・精神的休息をとり、脳振盪の症状が完全に消失するまで、競技への復帰は望ましくありません。症状が消失したら通常6段階のプログラムで徐々に負荷を加えていきます。この段階的プログラムは、1.活動なし、2.軽い有酸素運動、3.スポーツに関連した運動、4.接触プレーのない運動・訓練、5.接触プレーを含む運動、6.競技復帰、からなり、各段階を24時間ごとに進むので、最短でも競技復帰には1週間程度必要となります。19歳以下の若年、女性は、成人、男性と比較して回復が遅いことが指摘されています。
 羽生選手の場合、下顎の裂傷があり、しばらく起き上がれない状態でしたので、脳振盪と判断し、直ちに競技を止めなくてはいけません。フィギュアスケートは転倒による頭部打撲の危険も多く、まして架橋静脈という脳と静脈洞をつなぐ静脈の破綻があった場合、スピンすることにより急性硬膜下血腫の危険があります。現場の医師が許可した様ですが、アドレナリンの出ている競技者の出場意欲を抑える役割を果たしていません。今回は結果オーライであり、最悪競技人生を棒に振った可能性もあります。

●急性硬膜下血腫
 重症スポーツ頭部外傷として急性硬膜下血腫はその多くを占めます。柔道、ボクシング、ラグビー、アメリカンフットボール、スキー、スノーボードなどで多く、患者のほとんどが高校生以下の若年者です。当院でもラグビーによる急性硬膜下血腫で手術を行いましたが亡くなられた高校生のケースがあります。
 2012年から中学校の保健体育の授業で武道が必修化されましたが、死亡率の高い柔道に関する事故の報告が多く見られます。死亡・重度障害の原因のほとんどが急性硬膜下血腫で、特に中学1年生、高校1年生の初心者にピークがあり、実力差や体力差がある者との練習中に発生しています。発生の状況としては大外刈りによる後頭部打撲時が最も多く、十分な受け身を取れずに床に打撲した結果です。30年間で118名の子どもたちが学校柔道事故で犠牲になっている異常性を認識するべきです。

●おわりに
 スポーツは人間の成長や健康維持に必要なことであり、アスリートの姿に感動し憧れを抱くものですが、小児期に限らずスポーツによる死亡事故は絶対に避けなければなりません。現場の指導者など関係各位に徹底した医学的啓蒙活動が行われることを期待します。

*表1ポケット版脳振盪評価手引

■群馬保険医新聞2015年2月号

【募集中】 第23回保険医写真展 作品

【2014. 6月 03日】

第23回保険医写真展  出品募集中です。

■保険医写真展 作品募集
5月15日~6月13日まで

今年の保険医写真展は、7月2日(水)~6日(日)、前橋プラザ元気21にぎわいホール(前橋市本町)で開催します。23回目の課題は、「動物」です。自由部門もあわせて、たくさんの作品をお寄せください。
写真展応募用紙←クリック

 

■撮影バス旅行 参加募集

【終了しました】
5月25日(日)
忍野八海と富士花鳥園
撮影旅行申込用紙←クリック

写真展に先駆け、5月25日(日)に、撮影バス旅行を実施します。忍野八海(山梨県南都留郡忍野村)と富士花鳥園(静岡県富士宮市)を訪ねます。
国指定の天然記念物の「忍野八海」は、富士山の伏流水に水源を発する湧水池です。富士信仰の古跡霊場や富士道者の禊ぎの場の歴史や伝説、富士山域を背景とした風致の優れた水景を保有し、世界遺産富士山の構成資産の一部として認定されました。
富士花鳥園は、1300株のベゴニアが色鮮やかに咲き誇る巨大温室内で、39種のフクロウやミミズクがオリや網なしで台に座ったり飛んだりするようすを見ることができます。ポケットカメラを片手に観光を楽しみたいという方も大歓迎です。

写真展、撮影バス旅行は、会員のご家族、従業員のほか、会員でない先生もご参加いただける行事です。

詳細は、上記PDFファイルまたは、群馬保険医新聞4月号に同封した案内をご覧ください。不明な点は、協会事務局(☎027・220・1125)までお問合せください。

TPPに関する会員アンケート 終了しました

【2013. 6月 11日】

ご協力ありがとうございました
約150人の会員から回答をいただきました。
集計結果は、群馬保険医新聞8月号(8月15日発行)に掲載予定です。

———————————————————————-
 TPPは、医療もその対象になっており、日本の医療への様々な影響が予測されます。私たち保険医のみならず、患者や家族、従業員の生活にも関わる重要な問題です。
 
 群馬県保険医協会は、この問題について会員の考えや疑問を把握し、今後の活動に活かしてくために、TPPに関する会員アンケートを実施することになりました。
 
 6月上旬に当会から封書で送付したアンケートにご回答いただき、ファクス(027・220・1126)にて返送ください。6月末日締め切りです。結果を紙面で紹介するとともに、この問題について会員のみなさんとともに、議論を深めていきたいと考えています。
 
 アンケート用紙は、このページににも添付しています。
 不明な点は、協会事務局(☎027・220・1125)までお問い合わせください。
 ご協力、よろしくお願いいたします。

TPPアンケート用紙←クリック

2012年11月理事会だより

【2012. 12月 15日】

 11月8日(木)、午後7時20分から協会事務所。出席=柳川会長、太田、木村、小山、清水各副会長、秋山、石原、今井、大国、小澤、亀山、小板橋、長沼、半澤各理事。
 議長=木村副会長。   

【主な協議事項】
 〇共済制度関係
・休保請求3件を審査、給付可とした。
・事務局から後期保険医年金募集の結果報告があった。
 〇審査指導対策部
・事務局から、前回理事会以降に寄せられた保険請求に関する相談の報告があった。
 ○総務・組織関係
・柳川会長より11月1日に開いた総務会の報告があり、今後の協会の活動について、提起した。
 〇研究部
・10月25日に開催した「医療安全の確保」講習会は参加者87名で盛会だった。「医療メディエーション」は、管理者だけでなく、スタッフが受講しても勉強になる題材だ、等の感想があった。
・第7回「医療安全の確保」講習会(歯科外来環対応3部形式)は、2月28日(木)に開催予定。

【診察室】診断に迷った心筋梗塞の症例

【2012. 11月 15日】

高崎市・高瀬クリニック 高瀬真一/遠藤 彰 

 急性心筋梗塞は、冠動脈血流の途絶により心筋組織の不可逆的壊死を生じる病態で、多くの心筋梗塞は冠動脈のプラーク破綻から血栓を生じることにより発症する。発症から冠動脈血流の再開までの時間が予後に影響するため、早期の的確な診断と、それに続く再潅流療法が重要といえる。
 循環器救急現場で心筋梗塞の初期診断を行う上で、最も迅速かつ簡便におこなわれる検査は12誘導心電図である。図1に典型的なST上昇型急性心筋梗塞の心電図および冠動脈造影検査所見を示す。
診察室1

 図1のような典型的なST上昇型の心筋梗塞は、診断に迷うことは少ない。しかし実臨床では心電図検査のみでは診断に迷う心筋梗塞症例も多々ある。非典型例の診断のためには12誘導心電図、胸部X線写真、心エコー検査に加え、血液生化学検査が重要な役割を演じている。心筋梗塞の診断基準は表のように公開されており(図2 Universal Definition of Myocardial Infarction)、確定診断には心筋虚血に基づく心筋壊死の根拠を明らかにすることが必須とされている。
診察室2

 血液マーカーとしては、クレアチニンキナーゼ(CK)CK-MB、トロポニンIおよびT、ミオグロビン、H-FABP、ミオシン軽鎖などがあるが、中でも心筋トロポニンの上昇は心筋壊死を鋭敏に反映し、診断ツールとして特に有用と考えられている。トロポニンは心筋特異度と検出感度が高く、前述したUniversal Definition of Myocardial Infarctionでも心筋壊死を判断するのに望ましいマーカーとして推奨されている。心筋梗塞発症後3~4時間で上昇し、3~7日間でピーク値となり、7~14日まで有意な上昇を認めるため、数日経過した症例にも有用と考えられている。近年、循環器救急現場でトロポニンT迅速測定キットが広く活用されており、心筋梗塞の診断に大きく貢献している。 
 今回トロポニン陰性のために診断に迷った症例を経験したので、紹介する。

・症 例:64歳男性
・主 訴:胸背部痛
・既往歴・家族歴:生来健康で特記事項なし、喫煙歴なし
・現病歴:入院日の午前6時ごろ畑仕事中に突然の胸背部痛を初めて自覚、安静にして経過を見ていたが、改善しないため午前8時、当院救急外来受診した。
・入院時現症:身長165cm、体重60kg、血圧120/72mmHg、脈拍70/分整、頸静脈怒脹なし、呼吸音・心音正常、腹部下肢に異常所見なし
・入院後経過:受診時、冷や汗を伴う胸背部痛は持続し、心電図にてⅠ、aVL誘導にてごく軽度のST上昇、Ⅲ、aVf誘導にてST低下を認めた。発症2時間の時点でおこなった血液検査では、心筋逸脱酵素の上昇はなく、白血球数7200/μLと正常で、トロポニン迅速検査は陰性であった。心臓超音波検査では壁運動異常は明らかでなく、その他の異常も認めなかった。胸部レントゲン検査、胸腹部CT検査にて動脈解離を含め異常は認めなかった。来院から約1時間半後、胸背部痛出現から約3時間半の時点で再度血液検査を行ったが、やはり心筋逸脱酵素の上昇はなく、白血球数7500/μLと正常で、トロポニン迅速検査も陰性であった。トロポニン迅速検査が発症3~4時間の時点で陰性だったこと、心電図変化が明らかでなかったことから冠動脈造影に踏み切るかどうか迷ったが、確定診断の為にも緊急冠動脈造影検査を行った。

診察室3
診察室4
・冠動脈造影検査所見及び治療経過:図3に示すように、左冠動脈対角枝が起始部より閉塞していた。その他に有意狭窄は認めなかった。対角枝閉塞が原因の急性心筋梗塞と判明したため、引き続き経皮的冠動脈形成術(PCI)を行い、再潅流に成功した。CPKのピークは発症約15時間後で1368IU/Lであった。特に合併症は認めず、リハビリを行い1週間後に退院された。
発症から4時間弱であったことからトロポニン検査陰性となったため、急性心筋梗塞の診断に迷った症例を経験した。救急現場では一つの検査結果にとらわれることなく診断・治療していくことが重要と思われた。

■群馬保険医新聞2012年11月号

東日本大震災 被災者診療の請求について

【2012. 2月 02日】

被災者の窓口での一部負担金免除の期限が延長されました

 東日本大震災で被災した患者への一部負担金免除については、平成24年2月29日までと
されていましたが、この度下記期間までの延長がされることとなりました。
①福島第一原発事故による警戒区域等の被保険者は、平成25年
 2月28日まで延長。
②被災区域(警戒区域等以外)の住民のうち、国民健康保険、後期
 高齢者医療制度、全国健康保険協会の被保険者は、平成24年
 9月30日まで延長。
③全国健康保険協会以外の被用者保険の被保険者は、免除証明書の
 有効期限内に限り、一部負担金の支払免除を行う。

 厚生労働省の院内向けポスターを添付いたしますので、ご活用ください。
院内用けポスター ←クリックしてください 

 また、具体的な事例、請求方法に関しては、「被災者の診療に係るQ&A」
をご用意しております。合わせてご参照ください。

東日本大震災における被災者の診療に係るQ&A①
~被災者の一部負担金免除について~
東日本大震災における被災者の診療に係るQ&A②
~被保険者証を持っていない場合・被災地での診療・被災地からの転院受け入れ・その他~
 ※被災者が、被保険者証を持たずに受診できるのは、平成23年6月30日までとなります。
  ご注意ください。
(2012年2月2日 最終更新)

今までにご紹介いたしました記事---------

7月1日から震災被災者の診療の取り扱いが大きく変わります。
       (被災者向けポスターも用意しております)

 H23.5.2 厚生労働省保健局医療課事務連絡により、東日本大震災に係る被災者への医療
について、平成23年7月1日以降から大きく変更されました。
7月1日以降の診療からは、被災者にも「被保険者証」が、一部負担金猶予となる患者には、
「一部負担金の免除証明書」が必要となります。
 7月以降の変更点につきまして、東京保険医協会が作成した患者向けポスター、
院内用資料を転載致します。ご活用ください。
 会員の皆様には、対象となる患者さんが速やかに保険者に申請を行えるよう、
周知にご協力をお願い申し上げます。

被災者の医療ポスター (東京保険医協会より転載)
被災者医療の取扱方法(院内用資料) (東京保険医協会より転載 一部修正)

---------------------------
 被災地から保険証を持たずに来院した患者の保険者番号を調べられるよう、
福島県の各市町村の国保番号・後期高齢者番号を転載いたします。
ご参照ください。
国保番号→福島県国保番号
後期高齢者番号→福島県後期高齢者番号

2011年7月理事会だより

【2011. 8月 12日】

7月7日(木)午後7時20分から協会事務所。
出席=柳川会長、太田、木村、小山、清水各副会長、秋山、石原、大国、長沼、半沢、各理事
議長=太田副会長。オブザーバー=小沢聖史先生
【報告事項】
6.26保団連代議員会の模様が小山副会長より、6.30食生活を考える会の模様が柳川会長から報告された。

【主な協議事項】
○共済制度関係 休保申請3件を審査。すべて給付可とした。
○7.5総務会からの報告が柳川会長よりあり、事務局内規の加筆、訂正が提案され議論、提案の通り了承された。
○7.14定期総会の議案提案者とタイムスケジュール、進め方を相談。総会の最後に第20回写真展受賞者を表彰する表彰式と、20回を迎えての功労者に感謝の意を表する記念式とのふたつの式のスケジュールを相談した。
○イベント「子どもも大人も・百まで元気!」の企画を話し合った。初めて開催のため模索状態が続くが協力を・・・と呼びかけがあり、さらに具体化をはかる。機関紙7月号に「医療ボランティア」募集のチラシを折込む。
○10月23日、横浜で関信越指導監査対策担当者会議の開催案内があり小山副会長に出席をお願いする。
○歯科として独自に「お金の心配のない『保険でよい歯科治療』を求める」署名運動を行うことを決定。

********義援金のお願い*********

【2011. 3月 23日】

 群馬県保険医協会では3月17日より、「東日本大震災の被災地への義援金のお願い」を
会員の皆さまにお願いしております。
4月13日現在、お寄せいただいた義援金は600万円を超えました。
ご送金に厚く御礼申し上げます。
この資金はすでに保団連の現地対策本部を通じて宮城、岩手、福島の被災診療所に見舞金として届ける作業が行われております。
引き続きご協力をよろしくお願い致します。
郵便振替用紙をご希望の方は協会TEL027-220-1125までご一報下さい。
--------------------------------
       「東日本大震災 義援金」へのご協力のお願い

平素より群馬県保険医協会の活動にご理解ご協力を賜り、感謝申し上げます。
ご存知の通り3月11日発生した東日本大震災は未曾有の被害をもたらし、福島の原子力発電所の事故も伴い深刻な状態が続いております。
亡くなられた方々、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

群馬県保険医協会では3月18日より「東日本大震災義援金」の受付を緊急に開始しました。
皆様からお預かりする義援金は「全国保険医団体連合会(保団連)」を窓口とし現地へお送りさせていただきます。

すでに保団連では震災の経験をもつ兵庫、大阪の各協会から先遣隊を現地に送り、医薬品
はじめ援助の資金や物資の一部を届けておりますが、現地の状況は深刻のようです。

皆様からお預かり致します「東日本大震災義援金」は現地の協会と協力して被災者を励まし、被災地の医療の復旧回復を目的に活用致します。
主旨ご理解のうえ、同封の専用郵便振替用紙にてお近くの郵便局窓口にてお振込みいただきますようお願い申し上げます。

振替用紙に(一口1万円× 口)と記載がありますが、額面は空欄ですので、少額でも結構でございます。ご協力のほどよろしくお願い致します。

■郵便振替口座: 0360‐4‐11447  
■加 入者名: 群馬県保険医協会事務局
■通信欄: 2011年東日本大震災義援金
                     連絡先 群馬県保険医協会

2011年1月理事会だより

【2011. 2月 18日】

 1月13日(木)午後7時20分から開催。出席=柳川会長、木村、清水、小山副会長、秋山、今井、大国、亀山、長沼、半沢、深沢各理事。議長=清水副会長。電話健康相談=内科・眼科。
 開会に先立ち新事務局員が紹介された。 

【主な協議事項】
 ○共済制度/休保申請四件を審査し、3件を給付可とした。
 ○保団連関係/群馬協会が会員組織率上昇で全国3位になり、保団連臨時大会で表彰されることが報告された。群馬代表の発言内容が小山副会長から提案され了承。昨年末に行った医業税制、消費税署名のまとめが事務局より報告され、了承。
 ○審査指導対策部/3月6日に担当理事、弁護士を含む会議を行うことが報告され、了承。12月中に会員から寄せられた「保険あれこれ相談」の傾向と対策が事務局より報告された。
 ○地域対策部/理事会と歯科会の時間帯に実施している「直接電話相談」事業の継続について議論。継続が困難となっている科目について新たな回答ドクターを探すことを申し合わせた。
 ○研究部/2月24日に予定されている医療安全の確保講習会の内容、規模などについて議論し、定員を設けず開催することを決めた。
 ○歯科会から/清水歯科代表より、保団連の出版物「海外歯科技工問題」を県技工士会に無償提供したらどうか、との提案があり、了承。県技工士会の了解がえられれば配布をお願いする。
 ○文化部/秋山理事より1月20日の大相撲観戦の準備状況の報告があった。
 ○広報部/2~4月号の紙面計画が報告され、了承。

【論考】レセプトオンライン請求義務化撤回訴訟

【2010. 2月 18日】

【論考】
 
レセプトオンライン請求義務化撤回訴訟
提訴一年で省令変える

 

                                 原告 清水信雄

 2009年11月25日、レセプトオンライン請求義務化が実質的に撤回された。「仲間を守る」をスローガンに運動を続けてきた義務化撤回訴訟原告団の一人として、まずは保険医の権利が守れたことを喜びたい。
 
 ◎保険医の権利を守る
 2006年4月10日、厚生労働省令111号によりオンライン請求義務化が施行され、2011年の完全実施に向け順次進められることになっていた。これが実施されれば12.3%の会員(保団連)が廃業に追い込まれ、地域医療の崩壊を促進すると全国の保険医協会が撤回を訴えて運動を展開した。それから3年半、横浜地裁への提訴から1年を待たずに省令改正が実現した。
 もちろん、2009年九月の新政権誕生が大きく影響したことは間違いないが、それ以前に訴訟が起こされ、しかも2200人の医師、歯科医師が原告団を結成するという過去に例のない裁判闘争がマスコミに注目され、市民の関心を惹いた。このことが省令改正に大きな役割を果たしたのは火を見るより明らかである。
 司法の場で実質的な議論がされなかったことに物足りなさが残る。しかし私たちの目的は裁判をすることではなく、保険医の権利を守ること、かつ、その主張の正当性を国に認めさせることであった。目的は十分達成できたと考えていいだろう。
 

 
 ◎医療保険制度の歪み
 一部とはいえ私たちの主張が認められた今、銘記すべき教訓は何だろう。
 そもそも医療保険制度は、国の定めた制度の中で、個人開業の医療機関による医療活動の協力があってはじめて成り立つものである。国と医療機関、そして保険料を払い医療機関を利用する国民は、医療の場においては対等なはずである。このバランスが崩れたために「医療崩壊」が起こった。
 患者にとって最善の診療とは何か、保険医がそれを全うできる環境は整っているか、国は保険請求の仕方を云々する前にやることがあるはずだ。
 また請求方法を含む医療システムは医療機関同様、国民にとっても重要な問題である。その改正が大臣告示でなされ、細目の運用にいたっては課長通知で行われていることを改善する必要がある。ぜひとも、国会の審議を経た上での改正であってほしい。
 さらに、医療廃棄物の処理方法(廃棄物が確実に処理されたかを責任者が確認する等)でもみられたが、国は現実的ではない義務を医療機関に課す一方で、それに伴う費用は出さず、医療機関に全責任を負わそうとする「体質」をもっている。新政権は一部補助制度を導入したが、オンライン化による費用や情報漏洩の責任(住基ネット問題は未解決)は医療機関に…という姿勢に変わりはない。
 また、今後オンライン化が進むとしても、それが医療費削減の道具にならないよう私たちは監視していく必要がある。

 

 ◎国民の理解を
 今回の改正が国民の目にどう映るかについても対策が必要だろう。「時代に逆行するような身勝手がまかり通った」と印象づけてしまえば、たとえ撤回は勝ち取っても、結果的に保険医は信頼を失うことになる。
 世の中、あらゆる分野でオンライン化が進んでいる。義務化とは別の次元の話になるが、私個人はオンライン化も使い方次第で大きなメリットがあると思う。(群馬県保険医協会副会長)

 

 

 090909

 【横浜地裁で開かれた第1回口頭弁論(09年9月9日))には全国から傍聴者がつめかけた。群馬からは14人が原告団に。】

 
■群馬保険医新聞 2010年2月号

オンライン義務化撤回求めて国会行動 

【2009. 11月 25日】

オンライン義務化撤回求めて国会行動

条件つき免除では解決しない
   
 ●群馬選出議員を訪問
 厚生労働省は10月10日、レセプトオンライン請求義務化の一部見直しを内容とする省令改正案を発表し、パブリックコメント(意見募集)を公示した。

 この省令改正案は、政権与党となった民主党が先の総選挙での公約「『完全義務化』から『原則化』に改める」とのマニフェストに対応した措置で、これまですべての医療機関を一律対象としていた義務化を、
①手書きレセプトで、医科は年間レセプト数が3600件以下、歯科は年間2000件以下のものは義務化を免除。
②常勤医師がすべて65歳以上である場合等は義務化免除。
③電子レセプトに対応していないレセコンの医療機関ではリース期間が終わるまでの間、最大平成26年度末まで義務化を猶予する。
 (図参照 というもの。

 この省令の一部見直しに対し医療界はこぞって反対し、マニフェスト違反だ、原則化とは手上げ方式のはず、新政権と厚労相は問題の重大さが分かっていない等々、医師会、歯科医師会からも強い批判の声があがっている。

 群馬協会では、県内14人の原告と役員有志がパブリックコメントを提出。10月22日に保団連が行った国会議員への要請行動と「レセプトオンライン請求義務化撤回を!」と題した緊急国会内集会に事務局二名を派遣した。

 この緊急国会内集会には全国から150人の参加があり、与野党の国会議員88、秘書26人が出席。マスコミは共同通信、日本医事新報、じほう、キャリアブレイン、薬事ニュースが取材した。     
   
 ●国会での議論を
 集会では各地の参加者からオンライン化で生じる負担で廃院を迫られる医師・歯科医師の実態や、情報漏洩の不安が語られ、「患者、保険医に大きな影響を与える請求義務化を省令一つで決めてしまうことは憲法違反。国会で取り上げるよう国会議員の方々にお願いしたい」。

 また「民主党は義務化撤回の公約を実行すべきだ。個人を国が総管理する社保カード導入、社会保障個人会計を阻止するためにも、オンライン請求義務化は完全撤回を」など各党の議員を前にした発言があった。

 また横浜での義務化撤回訴訟弁護団長からは「政府・厚労省は、国民の生活権を脅かし地域医療を崩壊させる制度設計について、国会の議論を回避し、国民の目に問題点を触れさせないようにしている。オンライン請求義務化が憲法に違反することを裁判所に判断してもらうため全力を注ぎたい」との発言があった。
    
 ●議員8人が出席
 参加した国会議員からは、「皆さんの気持ちや、要求の趣旨はよく理解している」(民主)、「医療政策での現場無視を改め、現場主義を貫くべきだ」(社民)、「請求義務化が医療費抑制のためのツールであることをクローズアップさせるべきだ」(共産)、「手上げ方式に改めるよう厚労委員会で頑張りたい」(民主)、「党の政策に対して厳しい指摘をいただいた。皆さんの訴えは理解している。今後も連携していきたい」(民主)、など発言があった。

 集会は「レセプトオンライン請求を『原則化』に改めるとした政権公約の誠実な実行を望む」とのアピールを採択し鳩山首相、長妻厚労大臣他政務三役に送ることをきめて終了。

 閉会の挨拶にたった住江保団連会長は、「今回の省令改正案では、患者の個人情報漏洩の問題や、医師の裁量権を無視した医療標準化の問題、また個人データの民間資本による営利活用や、憲法違反の諸問題について、何ひとつまともに答えるものではない。本日のアピールに従い、断固として義務化撤回を要求する」と述べていた。

 集会に出席した国会議員は次の通り。(順不同)
 谷 博之参議院議員(民主)
 松崎哲久衆議院議員(民主)
 阿部知子  〃  (社民)
 高橋千鶴子 〃  (共産)
 首藤信彦  〃  (民主)
 吉田統彦  〃  (民主)
 初鹿明博  〃  (民主)
 高邑 勉  〃  (民主)

■群馬保険医新聞2009年11月号