■第42回定期総会決定 2012年度活動方針

【2012. 7月 30日】

群馬県保険医協会

    2012年度の活動方針

 

 東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故から1年が過ぎたが、復興に向けた動きはなかなか進まない。時間の経過により記憶や感情を風化させることなく、私たちは何をすべきかを議論し、行動していかなくてはならない。
 今次診療報酬改定は、税と社会保障の一体改革への第一歩を踏み出した形で、入院から在宅、医療から介護への流れがいっそう強化された。医療現場を無視した、医療費削減のための経済優先型への誘導は、決して許されることではない。病診間連携、医科歯科連携の項目は評価されたが、それぞれの連携が未整備のままで、実際に算定ができるのか、疑問である。厳しい施設基準を満たさなければ算定できない項目の増加は、医療機関の淘汰を狙ったかのようにもとれる。今後も税と社会保障の一体改革の影響による算定要件の変更に注視し、会員に対し、必要な情報を発信していく。
 請求や指導に関する会員からの相談が増加している。時代とともに、医療機関が抱える問題は変化し、多様化している。これら一つひとつから、会員の希望や問題意識を正確に捉え、ニーズに応えられる組織体制を構築する。医療者と県民の声に耳を傾け、より良い医療をめざし、積極的に政策提案をしていきたい。

 今年度も引き続き次の課題に取り組んでいく。

一、医療費削減政策の矛盾と破綻した現状を明らかにし、県民に知らせる。
一、後期高齢者医療制度に反対し、廃止を求める。
一、登録医制、診療報酬の定額払い制に反対する。
一、保険外併用療養(混合診療)の拡大に反対する。
一、保険診療で経営が安定し、良質の医療が確保できる診療報酬を求めて運動する。
一、物価、人件費の高騰にみあった「一点単価」の引き上げを要求する。
一、保険診療に関する情報収集に努め、医学的常識と医師の裁量を尊重した審査、指導、レセプト審査の公開を要求する。
一、女性医師支援の運動を継続する。
一、ヒブ、肺炎球菌、水痘、おたふく風邪の各ワクチンの定期予防接種の早期導入を県、市町村に要望する。
一、院内だより、健康テレホンの情報提供活動を継続する。
一、各種共済制度の普及をすすめる。
一、平和を守る活動に取り組み、「核戦争防止群馬県医師の会」を支援する。
一、国民皆保険制度を崩壊に導きかねないTPP参加について会内の議論を深める。
一、消費税の増税に反対し、医療へのゼロ税率を求める。   以上