第209回定例会 「私たちの住む群馬県の現状」
2011年7月28日、午後7時より、協会事務所にて第209回定例会が行われた。
今回は、前回の「測ってみよう放射能」の内容を受け、「私たちの住む群馬の現状」と題して、
群馬県HPを中心に、参加者とともに情報検索を行い、どのような情報が発信されているか、
必要な情報はどのように検索するかを学習した。
講師は本会会員であり、吾妻保健福祉事務所長を務める小泉信雄氏。
普段、あまり活用することのなかった群馬県HPには、食肉の流通、畜産用の稲わら、
土壌に含まれる放射線量や使用電力量など、昨今問題となっている様々な情報が、
豊富に掲載されていることを初めて知った。
また、群馬県におけるドクターヘリの現状、吾妻地区の医療の現状など、県の業務に携わる講師故の興味深い話を聞くことができた。参加者からも、「以前、県HPの病院要覧から希望の病院を探した。」など、活用した例の紹介があった。
群馬県のHPは、想像以上に情報量が多く、うまく活用できれば、有益な情報を数多く得ることが
できる。しかし、情報量が多い分、ページ構成が複雑であり、必要な情報を探しきれないことも
あるだろう。有益な情報を得るために、まずどんな情報があるのか、どのように整理されているかを
知ることが大切だろう。
次回は8月25日(木)、午後7時からスペイン料理店「el Viento」にて、暑気払いを行う。
参加希望の方は、協会事務所(電話027-220-1125)までご連絡ください。(小野里)
第208回定例会 測ってみよう『放射能』
2011年6月30日、午後7時より、協会事務所にて食生活を考える会、第208回定例会が行われた。今回は、東日本大震災による福島原発の事故を顧みて、
「測ってみよう『放射能』」というテーマのもと、講義と体験学習を行った。
講師は、当会会員にて歯科医師である亀山正氏、同じく小山敦氏。
【講演要旨】
亀山氏は、放射線の基礎的性質、種類から人体に影響を及ぼす身体的・遺伝的影響について。
また、現在報じられている原子力発電のメリットのウソについて解説した。
放射線の人体への影響としては、一定以上被曝すると必ず症状が表れる確定的影響と、
必ず発生するわけではないが、放射線を浴びると発生する確率の上がる確率的影響があり、
政府発表では確率的影響が軽視されていること。影響は遺伝にあらわれ、
後の世代にも障害を残しかねないことを問題として提起した。
また、原子力発電のウソとして、「原子力発電はコストが安い」といわれているが、
発電までの総単価で比較すると割高になること。「原発がないと電力が足りない」といわれるが、
休止している火力発電所を稼働させれば対応可能であることなどを挙げ、
必要なのは正確な知識と情報収集を行い、信じられる情報を掴むことだと訴えた。
小山氏はガイガーカウンター(放射線測定器)を使って、実際に放射線の測定体験を行った。
また、福島原発から50km以上離れた地点でも、群馬県と比べて非常に大きな値が測定されたことを挙げ、原発事故による放射線の影響を示唆した。
また、ルクセルバッジ等、個人の被曝量を確認し、防ぐためのアイテムを紹介した。
ベクレル、シーベルトといった放射線の単位や被曝量など、現在情報として濫用されているが
なかなか理解できていない言葉について分かり易く説明し、把握できたように思う。
また、乳幼児への注意点、放射性物質を除去する調理法など、具体的な防護方法まで聞けたのは
有意義であった。次回は7月28日(木)、午後7時から。
参加希望の方は、協会事務所(電話027-220-1125)までご連絡ください。(小野里)
第201回例会 地球温暖化とは何か?
8月26日午後7時から協会事務所で食生活を考える会(塚田元樹会長)の第201回定例会が開かれた。地域対策部の活動の一つで、参加者は医師・歯科医師だけではなく、教師、保健師、栄養士等の垣根のない交流が特徴。今回は群馬大学教育学部の西薗大実教授から「地球温暖化とは何か?」を学んだ。
【講演要旨】
西薗教授はゲリラ豪雨や巨大台風のメカニズム、今後予測される気候変動、温暖化に対する国の対応等を約2時間にわたって解説した。
ゲリラ豪雨がどのような仕組みで発生するか、知っている人は意外と少ないのではないだろうか。
群馬県の山沿いは夏季になると雷で有名だが、地形による上昇気流によるものが多い。
海沿いで発生するゲリラ豪雨は太陽の熱で発生する上昇気流によるもので、無限ともいえる海からの
水蒸気により、とめどなく雨が降る。単純に言えば海沿いで発生した上昇気流によるゲリラ豪雨は、
山沿いで発生したものに比べ降雨量が多く危険だということ。
温暖化が進むと、今以上に危険な気象状況にさらされる。
怖いのはゲリラ豪雨のような異常気象だけではない。大陸の氷が解けて起こる海面の上昇で、
陸地に海水が流れ込み、農作物の収穫高が落ち込むことも考えられる。
現在、地球シミュレーターで温暖化が世界になにをもたらすか予測し、国レベルで対策を考えていると報じられている。しかし我が国は経済界主導で政策が決まるため、環境問題への対策も
本気とは思えない。子孫に安全な地球を残すためには、この意思決定システムを壊さなければならない。もう、まったなしのところまで来ている。まずは問題の深刻さを理解している人達だけで草の根的に行動するしかない。
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西薗教授の話は思わず引き込まれる。ワクワクしながら受けた小学・中学時代の理科の授業を思い出した。食生活を考える会では今後数回にわたって西薗教授との勉強会を開く。次回は9月30日(木)午後7時から。参加希望の方は協会事務所(電話027-220-1125)までご連絡を。(寺川)
■群馬保険医新聞2010年9月号
第200回例会の報告「環境と健康 持続可能な未来へ」
しばらく活動ができていませんでしたが、なんとか勉強会の開催に辿りつきました…。
よーく開催回数を見てみると、なんと第200回の例会でした!時の流れを感じます。
今回のこの記念すべき200回目の例会の講師には、片亀光先生(高崎大学非常勤講師 環境カウンセラー)を招き、「環境と健康 持続可能な未来へ」の演題でご講演頂きました。
巷で「eco」という単語が流行っているが、現在の「eco」は、エコポイントに代表されるように経済的要素が表立ち、「eco格差」まで生み出しているという。理想的な「eco」とは一体どんなものなのかを具体例をあげながらお話し頂いた。身近でいえば、生ゴミの出し方(生ゴミの90%は水分なので水気をよくきってからゴミを出すだけで燃焼度が下がってエコになる)、家庭でできる太陽エネルギーの利用方法、電球型蛍光灯使用の勧め…etc、楽しく学べる場だった。主婦の方が聞いたら、メモをしたくなるような事ばかりだったように思う。
生活環境においては、現在、エネルギーを使って心地よい生活環境を作っているため(冷房や暖房など)、自然環境に対応できない体質になっている現代人が多く、問題であると片亀先生は指摘した。
急激なeco生活は長続きするものでなく、無理ないスタイルで継続し、未来のために心豊かなエコライフを送ってほしいとまとめられた。
講師の片亀先生 全体風景
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11月例会「トクホ」制度について 11月の例会は、再びテーマを「特定保健用食品(トクホ)」に戻し、勉強会を開催。講師は社会保険横浜中央病院 栄養課 浅利和敏氏。演題は「トクホ」の制度について~保険機能食品等~ を含めて。 「保健機能食品制度」の特徴・考え方・表示ルール、「トクホ」の種類・定義・申請方法など、複雑な仕組みを丁寧に説明して頂きました。
また「健康食品」の見えない部分に関しても、突っ込んでお話をして頂きました。小売店等で手軽に入手できる健康食品の中には注意して摂取しなければならないものも結構あるようです…。
講師の浅利氏 会場風景
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10月例会 「最近の感染対策」
10月は、特別企画としてテーマを「最近の感染対策」とし、群馬中央総合病院感染対策室長/安野朝子氏を招き、勉強会を開催しました。新型インフルエンザが猛威をふるっている現在、病院内ではどう対処しているのか、また、今後の対策など現場の生の声を聞くことができました。厚労省からの度重なる指示の変更による、現場の苦労がよく理解できました。
講師の安野氏 会場風景
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職種の壁超えて自由に情報交換
―地域対策部から/20年続いた食生活を考える会―
「食生活を考える会」という集まりがある。当協会地域対策部の活動事業の一つだ。食・体・医療について、参加者が思い思いに討論する場である。会員は医師、歯科医師、歯科衛生士、栄養士、学校教員など多種多様で、そのせいか話題に事欠かない。
前回6月の例会で194回を数えた。歴史を振り返ると発足は1988年、20年以上も活動を続けている。多忙な職に就く会員が多いのにもかかわらず、これだけ長い間継続しているのは、有益な情報を得られるからだけでなく、それぞれが職種の壁を超えて素直に語れ、楽しいから。例会では真剣な討論のなかにも笑いが絶えることがない。
「トクホ」テーマに
ここ1、2年の例会は「特定保健用食品(トクホ)」に関する学習会が続いている。食品メーカー・味の素から講師を招き、コレステロールを下げると謳ったマヨネーズタイプ「ピュアセレクト・サラリア」の勉強会を開催。メーカーがどのような思い入れで商品化したのか、また、美味しさはそのままにコレステロール低下機能をもたせるための工夫などを聞いた。
一方、ドラッグストア勤務経験をもつ会員が講師になり、販売する側からの話題提供もあった。ドラッグストア業界では消費者の健康を第一に考えてはいるものの、同業種間の競争のなかで、トクホを高利益商品の販売に結びつけるケースも多いという。また、良い商品でも販売数量が伸びなければ売り場から撤去されてしまうことも。内部の者にしかわからない話に参加者は興味津々だった。
6月例会はハートフルコミュニケーションズのカンウセラー平賀俊幸氏が「腸内細菌/心と体と健康」について講演した。
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暑気払いや新年会などのお楽しみ行事もある。食生活を考える会は派手な会ではないが、肩に力を入れず、学習・交流ができる場である。例会は基本的に毎月最終木曜夜に開催。詳細の問い合わせは協会地域対策部(寺川)まで。■群馬保険医新聞2009年7月号/////////////////////////////////////////////////////////////////
新年会が開催されました!
1月29日、前橋市内にある「クアトロアンジェロ」にて、少々遅い新年会が開催されました。参加者は医師・歯科医師・教員・栄養士・歯科衛生士などなど、多彩な職種に就く14人。19時スタートにも関わらず遅れてくる会員もほとんどなく、ほぼ予定時刻通りの開始となりました。
代表の塚田先生から冒頭に「この会は、保険医協会の地域対策部の中に存在するということを再認識して頂きたい」との挨拶がありました。地域対策部とはその名の通り、地域の医療・住民に対し物事を考え、情報を発信する部門です。近頃の「食生活を考える会」の行動はそのような行動から少し離れていたのかもしれません。今後、当会の運営を手掛けていく事務局として反省させられました。
「食生活を考える会」の良さは、「食の安全や味」について議論・討論できるだけではありません。会員の就いている職が多種多様なので、1つの物事に対し様々な意見が自由に制約なく飛び交う場に参加できるということでしょうか。(自由過ぎて、話の趣旨が何だか分からなくこともありますが…)医師・歯科医師に限らず医療に従事する人が多数集まり、ラフに会話できる場は、なかなかないと思います。勤務中に疑問に思ったことをその分野の専門性の高い会員に相談する、共感を持てる会員と今後の医療についての議論を深める、時には自身の考えと正反対の意見を聞くことにより、今後自身がどのような行動をすべきかを示してくれるヒントを得られるなど魅力一杯の会だと思います。保険医協会に入局して時間があまり経っていない私にとって、この会に参加することは、「食」に対しての知識を得るだけでなく、不足している医療情勢の知識がマスメディアからではなく、当会会員の医師・歯科医師などの先生方から直接伺える場なのでとても貴重です。ここで得た情報・知識を保険医協会の活動に十分生かせるよう努めていこうと思います。今後、「食生活を考える会」の「食」の文字を「職」という文字にも置き換え、会に参加していくつもりです。
硬い話になってしまったような気がするので、ここで明るい話題を。昨年6月に味の素様を招きマヨネーズ「サラリア」の勉強会を開催しました。(※「サラリア」に関してはこの話題の3個下の記事を参考にして下さい。)あれから半年が過ぎましたが、実際にこの商品を使用していた会員がいますので結果を報告します。使用者は市議の三森さん。半年前と比較し、体重がなんと8kg減少!!凄っ!確かに顔も小さくなりウエストもひとまわり細くなったように見えます。(失礼な言い方でスミマセン。三森さん…。)ご本人からの報告なので強い説得力がありました。当たり前の言い方ですが10kg袋の米、約1袋分の重さが自分の体から消えてしまったということです。そう考えるとホント凄い。生真面目な三森さんのことです。決められた摂取量・使用法を守り続けることができたから8kg減を成し遂げたのでしょう。マヨラー、且つ近頃肥満気味な私には、か・な・り刺激になりました。
勉強会に参加するだけでなく、実際に行動を起こし結果が出た人を見ると、本当に嬉しいものです。「サラリア」のような成功事例を、将来、この会が市や県に向かって情報を発信できる大きな会になることを期待したいですね。人間、食べてナンボ。「食」と「医療」を追求していく、この会の姿を大切にしていきたいです。(文責 寺川)
会の風景 堀越さんのお祝い 塚田代表が育てた人参
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第190回定例会の報告「だしわりしょうゆ」
10月30日(木)に第190回、定例会が開催されました。今回の議題は「特別用途食品・だしわりしょうゆで焼きオニギリ」でした。・・が、設備の都合上、焼きオニギリは作れず、主に「市販の腎臓病向け治療食品(調味料)キッコーマン だしわりしょうゆシリーズ」の勉強会、試食会になりました。講師には株式会社療食サービス・吉井様、日清サイエンス株式会社より石野様、平尾様をお招きしました。
サンプルを持ち込んでいただき、試食しながらの勉強会になったわけですが、驚いたことは、大変美味しいということ。とても治療食品とは思えない味でした。全ての治療食が美味しくないわけではないのですが、私の頭の中では「治療食」=「美味しくない」という公式が成り立っていました。随分前の私話ですが、約1か月間入院したことがあり、そこで出された食事が、大変美味しくなかった。塩分を控えた味噌汁を飲んだことがありますか?美味しくないんです、これ。味噌汁だけでなく他の食事の味付けもどれも薄味というか、中途半端な味というか・・。そんな経験から「治療食は美味しくない」と思いこんでしまっていたのです。
腎臓病向け治療食品は、低たんぱく、高エネルギーが理想です。しかし、たんぱく質は味の基礎であり、抜きすぎると味が悪くなってしまう。では、どうしたらよいのか??ここがメーカー様の力の入れどころ。詳しい工程は企業秘密とのことで教えてはいただけませんでしたが、かなり力を注いでいるそうだ。
「だしわりしょうゆ」は一般品と比べ、塩分・たんぱく質は約1/2、リンは約1/3、カリウムは1/10になっています。天然だしのうまみを活かした味になっており、実際にご飯に「だしわりしょうゆ」を垂らして食べてみましたが、一般の醤油とほとんど変わらない味でした。いや、「だし」を生かしているため一般品よりも美味しかったというべきでしょうか。
「だしわりしょうゆ」以外にも腎臓病向け治療食として「レナケアー茶碗でシリーズ(カレー丼)」、「レナケアーのり佃煮・かつお削りみそ」、「レナケアーカップめんシリーズ(焼そば)」を試食しましたが、どれも一般食品とほぼ変わらない味であり、商品によっては一般品よりも美味しいと感じるものもありました。個人的には「かつお削りみそ」が治療食とは思えないほど美味で、常に自宅にストックしておきたい一品でした。
代表の塚田さんが「病気になっても、安心して美味しく食べられる食品を今後も作ってほしい」と言っていましたが、まったく同感です。食は生きるための基礎であり、楽しみでもあります。病気になりたくはありませんが、仮になってしまっても毎回の食事が楽しみになるような「治療食」を期待したいものです。 (文責 寺川)
会の風景 「レナケアー茶碗で親子丼」
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暑気払いが開催されました!
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2008年7月31日、前橋市竜蔵寺町「クアトロ・アンジェロ」にて、暑気払いが開催されました。参加者は10名。美味しい料理を楽しみながら、賑やかなひと時を過ごしました。
まずは代表の塚田さんより挨拶、その後、事務局の栗原さんより会計報告と続き、そして各会員から、この会に参加して間もない会員に向けての自己紹介。そうこうしているうちに、運ばれてきました!美味しそうな料理が。アルコールもちょっぴり入っていたこともあり、用意された料理はいいペースで会員のお腹にと消えていきました。人間、美味しいものを食べている時って幸せですね。市議会議員の三森さんが「食べることは、長生きの秘訣」だと言っていましたが、まさしくそのとおりだと思います。新鮮で安全な食材を栄養バランスを考え調理し、楽しみながら美味しくいただく…。人が生きていく上での原点だなと改めて感じました。
食生活の話題だけではなく、さまざまな場所で起こるクレームには、どのように対応すればよいか?また、クレームに発展させないためにはどのような行動をとればよいか?という話題もヒートアップ。たった1つの言葉がとんでもないクレームに発生したことありませんか?この会に参加した会員より、実例を挙げてもらい討論。「クレーム」はありがたい忠告と受け止める(当事者で熱くなっている時は難しいですが…)、また、「クレームをつけてくる方と同じ目線で物事を考える」、このような意見が出てきました。前もって決められた議題を討論したわけではなく、自然とこのような話題が出てくる会です、「食生活を考える会」って。
今後の活動ですが、前回6月行った味の素様の「サラリア」(コレステロール対策のマヨネーズ)講演会が好評でしたので、9月に味の素様の競合企業であるQP様を招き講演していただくことを予定しています。日頃、私たちが当たり前のように使用している調味料類。それら商品の正しい使用法、製造現場の裏側、販売促進方法等、興味深いお話が聞けるかもしれません。そう思うと、今から楽しみです。少しでも興味が湧いた方は、是非、当会に参加してみませんか?
最後にとってもおいしい料理と場所を提供してくださいました「クアトロ・アンジェロ」の皆様、ありがとうございました。(文責 寺川)
コレステロール低下機能をもったマヨネーズ「サラリア」
第189回例会が、2008年6月26日に開催されましたので報告します。
講師は味の素商品開発部の藤岡さん。大変な物知りで、弁舌さわやか。
「メタボ」が流行語となった今日、サラダは健康食の代名詞ともいえます。
そのサラダに欠かせないのが調味料としてのマヨネーズ。
ところがマヨネーズというと、気になるのがその色からも連想されるように、卵黄をたくさん使っているために脂肪やコレステロール量が高いだろうということ。
マヨネーズの主な原料は、植物油、鶏卵、醸造酢の3つです。それに調味料・香辛料などが加えられています。全体の中では植物油の占める割合が多く、鶏卵のそれは思ったより少ないという印象を受けました。
ちなみに、実際にはマヨネーズ1回の摂取目安量15g中にコレステロールは11mgしか含まれておらず、日本人のコレステロール摂取量300mgと比較しても決して多いとは言えないようです(カロリーは15g当たり約100kcal)。
しかし企業としては、このネガティブイメージを払拭すべく、単にコレステロールを含まないマヨネーズではなく、コレステロール低下機能をもつマヨネーズの開発を計画しました。
その結果生まれたのが、今回の例会のテーマとなった「ピュアセレクトサラリア(以下、サラリア)」です。これによりこれまで業界で常に後塵を拝していた味の素が、キューピーに一矢報いる形となりました。
サラリアには、コレステロール低下機能をもつ食品素材として、植物ステロールエステルが採用されました。
コレステロールは、ミセルという親水性の粒子と結びついてはじめて小腸から吸収されます(ミセルと結合しないと吸収されません)。このコレステロールと構造が似ている植物ステロールエステルが存在すると、コレステロールの代わりにミセルと結合し、ミセルと結合しなかったコレステロールは吸収されずにそのまま排泄されます。
なお、ヒト試験においても植物ステロールエステルの副作用は報告されていないとのことです。
一方で、コレステロール低下機能があるとはいえ、食品である以上、おいしさを損なったら商品にはなりません。そこが開発陣の腕の見せどころであり苦労のしどころ。たしかにマヨネーズらしい味に仕上がっています。
加熱した際の焦げ色も重要なポイント。そのために卵黄型ではなく、タンパク質を含む全卵型を採用したそうです。
今日、各社よりカロリーハーフのマヨネーズも市販されていますが、概して味は本来のマヨネーズとは異なり、コクとまろやかさに欠けるといった印象をもちました。
ちなみに、サラリアのカロリーはハーフではありませんのであしからず。また値段は通常のものと比較しかなり高め。
また、コレステロールを効果的に下げるためには、1日大さじ1杯(15g)という摂取量を守ることも大事とのことです。
最後に、食品会社は商品の販売が第一で、国民の健康や食生活などへの配慮は二の次かと思っていましたが、さにあらず。
藤岡氏の話から、調味料といういわば食卓では脇役に回っている食品を作っている味の素が、国民の味覚形成にもしっかり取り組んでいることを知り、なんだかほっとしました。企業の収益を上げることだけでなく、社会に貢献してはじめて消費者から認められる、どの業界でも通じることですね。
さて、ライバルのQP社の製品についてもそのへんのコンセプトを聞きたいものですね。 (文責 清水)
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2008年度のスタートに当たって
食生活を考える会
代表 塚田 元樹
会員の皆様におかれましては、いかがお過ごしですか?
昨年は、トクホ(特定機能食品)から始まり、例年通りの群馬の食文化研究会の例会への参加、終盤になっては、世間で騒がれている、医療崩壊のシンポジウム等への参加と、色々あった年でした。
さて、今年のテーマをどうしようかと4月13日(日)、運営委員5人が集まり、話合いを持ちました。
結果として2008年度については、昨年に引続き「トクホ」を1つの柱として、もう少し追いかけてみようと言うことになりました。昨年話を聞けなかった企業に声をかけてみようと言うことになり、まず手始めに「味の素」あたりは、どうかと言うことになりました。
これは、「聞いてみたい!」という企業がありましたら、是非推薦してください。
よろしくお願いします。
また、もう一つの柱として、昨今の医療崩壊や、後期高齢者保険等の導入など、私達の健康的な生活の根本を揺るがすような制度も続々登場してきています。
『自分の健康は自分で守る』と言っても、こう頻繁に「理解不能の制度」がでてきては、もう真剣に勉強しなければなりません。
そんなわけで、保険医協会の行事とも相乗りしながら、この保健医療制度等についても、学習していく事になりました。
よろしくお願いします。
最後になりますが、会員同士の親睦を深める、暑気払い等についても、例年通り計画して行く事になっていますので、申し添えておきます。
学ぶときは、真剣に学び、楽しむときは、今年も一生懸命楽しみましょう。
追伸
毎度のお願いで、申し訳ありませんが、4月と言えば、「会費納入」の月です。
会の円滑な運営のためにも、是非納入を願いし致します。
会費納入のための振替用紙を同封させていただいておりますので、活用いただければと思います。
もちろん、例会に出席の折、納入いただいても結構です。
どうぞよろしくお願いいたします。