保団連 女性医師・歯科医師交流会に参加して 

【2007. 9月 04日】

保団連 女性医師・歯科医師交流会に参加

3月18日保団連会議室で開かれた女性医師・歯科医師交流会に太田理事と初めて参加した。北は北海道から南は九州まで、15協会28人が参加し(関東からの医師の参加が群馬のみだったのは意外)、午前は東京女子医科大学・川上順子教授より「女性医師を職場で生かすために」と題した講演があった。川上教授は東京女子医大女性医師再教育センター副所長で、日医男女共同参画委員会委員でもある。

※働く環境づくり
講演は、まず女性医師の現状と問題点として、女性医師増加などの統計調査をもとに
「現在の勤務医不足を直ちに女性医師の割合増加に結論づけることはできないが、将来女性医師が30%になった時の非常勤率は15%、仕事を持たない割合が8%になるかもしれない。この数値は大きく、いまから将来の対策を講じる必要がある。それには女性医師の働く環境整備は必須である」と分析している。

※日医の分析
また、女性医師勤務続行に関する因子として日医男女共同参画委員会では次の8項目を挙げていると紹介した。
・産休取得の不徹底
・育休休業の取得困難
・保育、託児施設整備の不十分と利用困難
・病児保育室の不整備
・勤務制度、柔軟な勤務制度の不備
・上司、同僚の無理解
・家族の理解と援助
・女性医師自身の意志

※病院側の対策
さらに病院側の対策としては、大阪厚生年金病院や東京女子医大の取り組みを紹介しながら四つの対策をあげている。
①子育て支援
②勤務態勢の改善
③病院の地域連携
④再教育支援
このうち子育て支援対策としては、
・院内保育所の整備
・近隣の民間保育所との提携
・病児保育室整備
・病院駐車場の優先使用
・24時間コンビニの設置
等が実施されており、利用者にとって非常に有効、かつ心のこもった対策であると感じた。
勤務態勢の改善でも非常に参考になる対策がとられていたので紹介したい。
・ワークシェアよりは勤務時間の短縮。給料は少し下がっても、正規職員としての待遇を望む人が多い。
・研修医、レジデント、臨時職員にも産休や育休を適用する。
・外部当直を導入する。
・地域連携を盛んにして外来患者を地域へまわす。 
などであった。

※医科・歯科の連携
 午後は各県の活動報告があり、意見の交流が行われた。医科と歯科では互いに知らないことが多くて驚いたが、交流を深め連携して医療問題を考えてゆく必要性を感じた。とくに女性医師支援については共通する問題なので、今後の協会活動の課題にしたい。
今回の交流会はいろいろとポジティブな考えや方法が提案され、心強く、信頼も深められ、有意義な会だった。            (副会長・柳川洋子)
■群馬保険医新聞4月号