政治の行方を監視し国民皆保険を守る
7月15日、群馬県保険医協会は第40回定期総会を県生涯学習センターで開催、理事2人を加えた新体制で、新たな1年がスタートした。
総会は木村康副会長が開会、はじめに過去1年間に亡くなられた会員10人に黙祷が捧げられた。
再任した柳川会長は、あいさつで新年度の目標を次のように明言した。「当会は、低所得者にとって厳しい税制である消費税10%に反対し、富裕層からの所得再分配、累進課税による財源を確保すること、憲法第25条の生存権の保障に則った国民皆保険制度を守ることを提言する。政治の行方を監視し、福祉国家としての日本の危機を訴え、県民の健康と国民皆保険制度を守る活動を継続していきたい」。
議事は、活動方針、予算、役員選出と執行部提案どおり採択。また、規約の一部改正案が提出され、第二条を「本会は、県民の健康と国民皆保険制度を守るとともに、保険医の生活と権利を守り、会員の融和と新睦を計ることを目的とする」、第二十五条を「本会の会費は、医科、月額四千円(勤務医・三千円)、歯科、月額三千五百円(勤務医・三千円)とする」に変更することが採択された。
【写真展表彰式】
総会の席上、7月14日から19日まで同センター1階で開かれた第19回保険医写真展の表彰式が行われた。出品点数125点の中から会長賞1点、奨励賞17点が選ばれ、当日出席した受賞者代表に、会長から賞状と記念品が贈られた。
【記念講演】
総会記念行事は、医師であり、ベストセラー作家でもある海堂尊氏が「Aiセンターが地域医療を救う」をテーマに講演。
解剖をベースに行われている日本の死因究明率の低さを指摘し、「死因究明は医学の基礎であり、医療に対する患者の信頼を得るためにも重要だ。その手段として、遺体を傷つけることなくできる死亡時画像診断(Ai)は有用であり、崩壊しきった死因究明制度を立て直すには、Aiをベースにしたシステムに移行しなければならない」と話した。
医療関係者をはじめ医学生、一般市民約150人が聴講した。
■群馬保険医新聞2010年8月号