個別指導問題で緊急勉強会 ―埼玉協会・入交理事講師に
弁護士帯同が一般的(埼玉)
9月4日、協会の審査指導対策部では、個別指導問題に関する理事対象の緊急勉強会を行った。埼玉県保険医協会常任理事の入交信廣先生を招き、「個別指導の基本的考え方」と題し約2時間の講義と質疑応答を行った。
入交先生は、個別指導の問題点として、
①実際には高点数医療機関を対象に指導を行い、萎縮診療に追い込みつつ医療費抑制を行うこと
②開業医の人権を無視した指導が行われ、有名事件としては1997年に富山で内科医師、2007年には東京の歯科医師の自殺事件がおきていること
などをあげ、指導、監査、集団的個別指導、自主返還等の法的な背景、通知から終了後までのさまざまな問題点について詳しく解説した。
さらに埼玉協会が進めてきた弁護士帯同、同僚医師の帯同経験について語り、日頃からの注意点、事前のチェック表などを紹介。そして埼玉では、指導の呼び出しがあると協会にまず相談する、指導には弁護士帯同が一般的になっていると報告した。
増える個別指導の相談
医療制度改革関連法と社会保険庁の廃止・解体により2008年10月から政府管掌健康保険は国を離れ、全国健康保険協会による「協会けんぽ(通称)」に移管された。同時に医療保険にかかわる医療機関への指導監督、届出、資格関係の事務の業務は厚生労働省の地方厚生(支)局が担うことになった。
地方厚生(支)局は全国に八か所あり、群馬県を管轄するのはさいたま市中央区新都心一に事務所をおく関東信越厚生局である。その管轄する地域は一都九県あり、全国8つの地方厚生局のうち最大。この出先機関が前橋市本町二丁目第一生命ビル7階の群馬事務所である。
これまで社会保険事務局により都道府県ごとに行われてきた個別指導等の業務は各県でかなりの差があった。関東信越厚生局ではこの都県の格差について実施レベルの統一化を図るとしている。
これを反映してか、最近会員からの個別指導に関する相談が増えている。指導に対し弁護士帯同、指導内容の録音については全国にさきがけて埼玉協会の活動が見本手本となっており、この機会に隣県埼玉の活動ぶりを学ぼうと緊急勉強会が企画された。
■群馬保険医新聞2010年10月号