第2回医療安全の確保講習会、95人が聴講
多剤耐性菌アシネトバクター問題がメディアを賑わせていた9月16日、生涯学習センターで第2回医療安全の確保講習会を開催、95人が熱心に聴講した。協会研究部主催。
今年1月に続く当協会の連続講座で今回は2部形式。第1部は「医療安全施策の現状と課題」講師=佐藤貴彦氏(県医務課医療指導係)、第2部は「最近の院内感染対策」講師=安野朝子氏(群馬中央総合病院院内感染対策室)。
生きた施策が大事
県医務課の佐藤氏は、医療機関における安全対策を推進するためにはその指針を策定し、管理者は従事者を対象とする研修実施に協力してほしいと訴えた。また作成した指針を形骸化させてはならず、法改正ごとに更新し、生きた指針を共有することが重要だと述べた。
一方、群馬中央総合病院の安野氏は、院内感染対策では情報の収集と提供の仕方が重要で、以前に比べ更新が頻繁になった厚労省ホームページや感染症情報スペースの活用を勧めた。また感染対策に取り組む姿勢を外部に表明することで従業員の意識はガラっと変わるとアドバイス。
情報の周知徹底を
両氏の訴えで共通するのは、組織内に情報を周知させること。義務付けられたから指針を作り会議を開くのではなく、必要性を実感して行動することが重要だということだ。
事故が起こってからでは取り返しがつかない。今回の講習を機に再度、医療安全とは何かをふり返ってほしい。
保険医協会の医療安全の確保講習会は公的に認められており、受講者には修了証を発行している。今後も順次開催予定なので、会員は是非ご参加いただきたい。 (研究部)
■群馬保険医新聞2010年10月号