「採血器具の使い回し」報道に関し
舛添要一厚生労働大臣 大澤正明群馬県知事に抗議
群馬県保険医協会の7月理事会では、この間マスコミで話題となった表記の
調査とその報道について以下の通り抗議することにし、7月15日、下の抗議文を
厚生労働大臣と県知事あてに送付しました。
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抗 議 文
今年4月、島根県の診療所で微量採血器具の採血針が複数患者に使用されるという事件がおこった。これを受けて、厚生労働省は採血器具の使い回し調査を全国に通達、群馬県でも5月末から6月にかけて県内の医療機関、検診施設、介護施設等を対象に、郵送文書による調査が行われた。
群馬県保険医協会は、この調査上、次の二点について抗議する。
その1
6月30日、群馬県医務課長は、県内では採血針の使い回しは無かったが、キャップの再使用が1万7,000人を超えていると推定人数を発表。マスコミ各社は7月1日、採血用器具の使い回しが多数の医療機関で行われていたと報道した。問題になったのは「針」の使い回しで、それがキャップやホルダー等「針周辺」の使い回しにすりかわり、問題の所在がきわめて曖昧になった。
厚労省はキャップの使い回しもウイルス感染を起こす可能性があるとするが、そのエビデンスが無い。針とキャップは明確に区別することが医学的には正確な発表であろう。
その2
群馬県医務課から送付された第1回調査に、医療機関名公表の記載はない。しかし2週間後、「使い回し」例があると回答した医療機関等に対し確認調査が実施され、そこで初めて医療機関名公表についての記載があった。
同課によれば公表は厚生労働省の指示というが、このようなやり方は県の調査方法に疑問を抱かせ、今後の円滑な医療行政の妨げになると危惧される。
以上、調査ならびに公表の仕方について、群馬県保険医協会理事総意のもと、文書にて厳重抗議する。加えて、患者と医療機関の信頼の上に成り立つ医療において、いたずらに患者の不安を煽ることのないよう、厚労省および地方行政には細心の配慮を願いたい。
2008年7月10日
群馬県保険医協会
会長 小板橋 毅