【新春訪問】土岐内科医院

【2009. 1月 26日】

【新春訪問】高崎市上里見町・土岐内科医院

地域のかかりつけ医として90年

  ◎毎月休まず健康教室 三代目土岐宗利院長

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 協会の共同編集事業「院内だより」では20年来のおつきあいである。今年の年頭挨拶で「初代院長が旧里見村で診療を始めてからちょうど90年」と書いた。
 開業早々スペイン風邪に翻弄された初代松太郎氏、九死に一生を得て復員した先代の正氏を待っていたのは戦後の食糧難と伝染病に苦しむ地域の人々だった。三代目宗利氏は医院を継承して25年になる。
 1976年東邦大学を卒業後、聖路加国際病院日野原重明先生の下で研修医時代を送った。いまでも日野原先生に学んだ「医療人の心」を思わない日はない。その後東京女子医大糖尿病センターで患者教育に携わり、群馬大学に。専門は内科全般で、特にプライマリケア、消化器、循環器、糖尿病などの生活習慣病に力を入れている。
 「診察中に話せないことがたくさんある」と、女子医大時代に培った患者教育を開業後も続けている。里見地区は農家が多く、患者も高齢者が多い。月一度の健康教室(写真)の主なテーマは生活習慣病。バスや徒歩でやってきた患者さんたちは、みな親しい友人のようだった。管理栄養士による栄養指導を月2回。年に一度の料理教室は20回(写真)を数えた。
 専門以外の知識を広げ、大学や地域の中核病院との連携を密にして、患者さんたちに喜ばれるかかりつけ医をめざしたいという。
 「開業医は患者さんと人間的なつきあいができるからおもしろい」…地域に深く根をおろした土岐内科ならではのひとことである。
■群馬保険医新聞2009年1月号