入れ歯が危ない!保険で良い歯科医療を 10・25決起集会 

【2009. 11月 25日】

子どもや高齢者の歯科医療を無料に
 
 「入れ歯が危ない」保険で良い歯科医療を10・25決起集会が東京国際交流会館で開かれ、全国から約500人が参加した。「保険でよい歯科医療を」全国連絡会、保団連、民医連等の呼びかけに応えたもので、群馬からは清水副会長が代表参加。患者負担の軽減、小児や高齢者の歯科窓口負担の無料化などをスローガンに掲げた。

不当に低い診療報酬
                                                                     副会長・清水信雄
 会の名称が適当かどうかは別として、要は、歯科を廻る環境の改善を求める運動および集会だ。診療報酬の評価が不当に低いため、実質的に持ち出しが多く、ボランティア化している診療や、その影響による歯科技工士の離職問題等、歯科医療を支える環境が崩壊しようとしている実態が報告された。署名活動で患者数が増えた事例、不況下で必要な歯科治療が放置された結果、悲惨な状態を招き就職活動ができないといった事例の報告もあった。
 
 ●制度改善に期待感
 以下、今回特に象徴的だったことを挙げる。
 ・共産党の小池議員が最初から最後まで集会に参加し、「健康の源は歯科の充実から」「健康増進にエビデンスのないメタボよりエビデンスのある歯科医療の充実を」とまで訴えた。歯科の事情に大変精通している議員だ。
 ・各地の歯科医師会等からの応援メッセージが格段に増えた。
 ・民主党議員の出席もあった。未知数の部分が多いが、この政権なら我々の働きかけ如何によっては制度を改善できるかもしれないという期待が感じられた。
 
 ●診療側にもプレッシャー
 集会は成功裏に閉会した。 その一方で考えなくてはならないことがある。
歯科医療への低い評価が、医療の過剰介入を招いたり、技工士や衛生士の離職を加速させ、歯科医療を質量ともに低下させる危険性を訴えなくてはならない。
 また、診療報酬が正当に評価されたあかつきには、私たちにはそれ相当の結果が求められることも忘れてはならない。点数的に評価されたのに、「医療の内容が何も変わらなかった」では、国民から見放されてしまうだろう。現政権と同様のプレッシャーがかかってくるのだ。

 患者の自己負担は少ない方がいい。歯科の診療報酬を上げる=正当な評価をすることは、現在の自己負担率が変わらない限り、患者側の負担金が多くなる。それでも「医療の最終消費者である患者にとって、結果的にプラスになる」ということを理解してもらうためにどう工夫すればいいのか。私たちが今後、運動を進める際のカギになるのではないかと思う。
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 今回のような集会の際に、代議員会やその他の集会で顔なじみになった全国の歯科医たちと会えるのは、とてもうれしく、元気が出る。時折小雨のぱらつく寒い日だったが、エネルギーをもらった。

■群馬保険医新聞2009年11月号