群馬県選出の衆議院議員に要望書を送付

【2009. 9月 24日】

 群馬県選出の衆議院議員に要望書を送付

 シルバーウィークを前に、群馬県保険医協会は群馬県選出の衆議院議員に要望書を送付した。
 私たちは、昨年「ここまで来た医療崩壊」をテーマに研究会を開催し、医療崩壊を招いた医療費削減政策と医師不足の現状を明らかにしてきた。そこで、医療問題が争点となった今回の総選挙で衆議院議員となった群馬選出の9人(民主党6人、自民党3人)に、私たちの要望(下記)と、その根拠になる各種資料を添えて郵送した。

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衆議院議員○○殿
                                 群馬県保険医協会
                                   会長 柳川洋子
                                  http://gunma-hoken-i.com
  謹 啓

 このたびは衆議院議員にご当選おめでとうございます。議員の今後のご活躍を期待しています。さて、私たち群馬県保険医協会は、群馬県内の医科・歯科保険医1000余人の団体です。昨年一年間、「ここまで来た医療崩壊」をテーマに研究会を開催し、医療崩壊の根本にある医療費削減政策と医師不足の現状を明らかにしてきました。そこで、以下のとおり要望します。   

医師不足と医師の過酷な労働環境改善に、早急に着手してください。

1)絶対的な医師不足は各種データを見ても明らかです。医学部の定員増加を望みます。

2)医師不足に拍車をかける下記要因について、真剣に取り組んでください。

*過酷な労働環境にある産科、周産期、小児救急、救急、外科部門は新人に敬遠され、中堅医師が辞めていくことで医師不足が加速しています。この悪循環を断ち切る政策を望みます。

*女性医師が出産育児をしながら働き続けることができる環境整備が必須です。

*病院勤務医の過酷な労働条件を解決するためには診療報酬の引き上げが必要です。地域の医療を守るためにも、大病院、中小病院、開業医全ての経営を安定させる10%以上の診療報 酬の引き上げを要求します。  

*救急車の受け入れが出来ない理由の第一位は当直医師が「専門外」というものでした。医学がますます細分化され、専門医が増えて、専門以外は診ることができない医師が増えています。医師なら誰もが初期救急治療ができる教育が必要です。専門医認定のあり方も検討課題だと思います。  

*医療訴訟が増加しています。無過失保険などの有効な手段が講じられるべきです。医療訴訟に対策が講じられなければ、リスクが高く労の多い部門はますます敬遠されます。  

*少ない医師を有効に活用するには、地域にあった病診連携の構築が必要で、そのための支援を要望します。 

療養型病床が大幅削減されています。高齢者が満足できる医療と介護を受けているか、見直しが必要と考えます。

1)特別養護老人ホームの経営、安全管理がおろそかにならないよう、

2)高齢者のさまざまな疾病に対して質の高い医療が提供されるよう、

3)病気の高齢者がいる家族の相談窓口が十分機能するよう、

現場のさまざまな職種の方から意見をくみ上げてください。 

歯科医療の再建に取り組んでください。 

私たちは国民の口腔の健康を守る環境づくりとして、「保険でよい歯科医療を」提供することが大切だと考えています。一方、歯科医院は経営難にあえいでいます。歯科医療従事者の技術、労働とモノに対し適正な評価をしてください。診療報酬の10%以上の引き上げと、患者窓口負担の軽減を要望します。 

患者窓口負担を軽減してください。

子どもと高齢者の窓口負担は無料にしてください。 

近年、窓口負担を苦にした受診抑制が顕著です。75歳以上の高齢者については無料化を、子どもについては、自治体による格差をなくすためにも、国の制度として医療費無料化を推進してください。  

レセプトオンライン請求の義務化を撤回してください。 

レセプトオンライン請求義務化は、厚生労働省の省令によって、医師が廃業を余儀なくされる状況を生み出しました。この省令を撤回し、行政による「オンライン化」強要をやめてください。   

自主共済を新保険業法の適用除外にしてください。 

新保険業法により、制度廃止に追い込まれた自主共済が多数に上っています。自主共済は非営利で、会員対象に運営しています。その制度内容や運営母体の目的、活動、構成員や歴史も多種多様です。自主共済については新保険業法の適用除外にしてください。  

子どものワクチン行政を充実してください。

 Hibワクチン、水痘ワクチン、ムンプスワクチン、HPVワクチン、肺炎球菌ワクチンを早期に定期予防接種にしてください。                                        

 以下、今後の国会活動に私たちの願いを反映していただけますよう、資料をそろえました。ぜひご覧ください。 

 【お届けした資料】 

保団連(全国保険医団体連合会)とは    …1

日本の医療の現状(解説)         …2~3

日本の医療の現状(図)          …4

後期高齢者医療制度            …5~6

入院医療                 …7~8

社会保障カード              …9

医療事故                 …10~11

介護保険                 …12~13

中医協の改革               …14~15

医療再建の財源              …16~17

混合診療                 …18~19

自主共済規制問題             …20~21

国保問題                 …22~23