2010年3月5日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様
財務大臣 菅 直人 様
厚生労働大臣 長妻 昭 様
中医協委員 各 位
群馬県保険医協会
会長 柳川洋子
要請書
○諮問通り+0.19%での診療報酬改定を求めます。
○診療所の再診料引き下げはやめてください。
○過剰に詳細な明細書発行の義務化に反対します。
当協会は開業医師・歯科医師を中心に活動する保険医の団体です。深刻さを増す地域医療の崩壊をくい止めるために、今回の診療報酬改定では大幅なプラス改定が必要であると訴えてきました。しかし昨年12月、厚労・財務両大臣による折衝で、改定率を+0.19%とすることで合意され、今年1月厚労相は中医協に諮問されました。
その後、枠外に600億円の薬価引き下げがあることが判明し、全体改定率は+0.03%となりました。10年ぶりのプラス改定とは名ばかりで、実質ゼロ改定です。せめて諮問どおり、+0.19%の診療報酬改定が実行されることを求めます。
診療所と病院の再診料統一は、診療所の再診料を下げず、病院の再診料を引き上げて71点に統一すべきです。厚労省の試算によれば、71点で統一するため必要な財源は220億円ですから、薬価削減分の600億円を財源に回せば、病院再診料の引き上げは十分可能です。
また、今回、「レセプト並みの詳細な個別の点数項目の分かる」明細書の発行が電子レセプト請求を行う医療機関に義務づけられましたが、医療機関にとっては諸経費の増大、時間のロス、そして患者にとっても個人情報の漏洩など由々しい事態が予想されます。そもそも医療機関は医療内容について説明する必要はあっても、医療費用の詳細まで説明する義務はありません。医療費の透明化をめざすなら、国や支払いを行う保険者の責任で行われるべきです。
病院も診療所もそれぞれの役割が十分発揮できてはじめて地域医療を再生することができます。今回の改定が実質ゼロ改定になったこと、診療所の再診料が引き下げられたこと、医師と患者の信頼関係を損ねかねない詳細な明細書の発行が義務づけられたことについて、再度見直しを要請いたします。以上