新年度を迎えて

【2012. 8月 15日】

新年度を迎えて

                               会長 柳川 洋子

 野田政権は、消費税増税法案を強行に推し進め、安全対策も避難対策も不十分なまま大飯原発の再稼働に踏みきりました。
 群馬県保険医協会は、県民の健康と国民皆保険を守る意味で、社会保障と税の一体改革、原発の再稼働は大きな問題と認識しています。
 消費税は、医療では非課税とされ、仕入れにかかった消費税は医療機関がかぶる損税となっています。保団連のホームページでは、診療科名と1ヶ月の件数、診療報酬などを入力すると、年間のゼロ税率還付額をシミュレーションすることができます。試しに内科診療所、400件、400万円とすると、142万7000円、初診料、再診料に換算すると18点アップとなり、10%に増税されると46万6000円増となることが示されました。
 厚労省は、損税還付の代わりに診療報酬改定で、点数を1.53%上乗せしたということですが、実質的にはマイナス改定となっています。また、消費税法によると、医療は非課税であるのに、診療報酬として患者から徴収している点は、大きなルール違反です。当協会では、患者の負担も医療機関の負担もなくすゼロ税率を要望し、消費税増税にも反対してゆきます。
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 先日東電から各家庭に電気料金値上げのお願いが届きました。昨年1月に自由な「記者会見の場」を提供するため、立ち上げられた、自由報道協会は、「東電は発電にかかるコストの3%を利益として計上し、コストが上がれば電気料金を上げるという構造がある、原発の所轄である経済産業省は、電力コストの10%を特別会計で計上できる、大手メディアには電力会社10社と電気事業連合会から年間860億円の広告費がわたっているが、ライバルがいないので実際は賄賂の性格が強い」ということを報じています。
 昨年当協会は、「さようなら原発1000万署名」への協力をお願いしました。五月末には全国で750万筆集まり、6月に国会へ届けられたそうです。作家の大江健三郎さんは、「3.11後の私達の生き方をしっかり作ってゆく」と述べられました。当協会も目標をしっかり見据えて活動していく方針です。

■群馬保険医新聞2012年8月号