ごあいさつ

【2021. 8月 17日】

群馬県保険医協会会長 清水 信雄

 長引くコロナ禍で、すでに1年半以上も国民は不自由な生活を強いられています。ワクチン接種も、ようやく高齢者への接種の遂行が見えてきたところです。

 いずれにしても、私たちの生活や仕事の仕方が、それまでとはすっかり変わってしまいました。当たり前が当たり前でなくなる—こんな変化が突然起こりうるという事実を私達は身をもって知りました。災害とはそういうものです。

 この間、医療機関、ことにウィルス感染者に直接関わる医療従事者は、自らの感染リスクを負いながら診療に当たっています。その勇気と尽力に心より敬意を表します。

 一方で感染リスクの面からは、不特定多数と接触する機会のある職種は医療機関以外にも多々あります。飲食業界をはじめ、展示場、演劇、ライブやコンサート、スポーツ関係など、対ひとの業界等は、甚大な影響を受けました。

 政府は、自粛や営業の時短等、感染予防のための協力要請はするものの、そのための手当てや助成金等については、制度上、運営上の不備が目立ち、また額においてもあまりに不十分です。まだ収束が見えない中、ともすると禍=わざわいという不幸な面が強調されがちですが、奇しくもこの間、私たちが獲得したこともありました。

 歴史を振り返れば、人類はこれまでも、試練から多くのことを学んできました。 (順風満帆の時は、人はあえて変化や改革を考えないものです。)

 身に迫る隘路打開のため知恵を絞り、それまでの経験や成果を生かそうと試行錯誤を重ね、それにより新しい技術やシステムを開拓してきました。

 協会の理事会をはじめ、諸会議、研修会の形態がWEBの活用により大きく変わりました。しかしWEB会議は、直接顔を合わせられない、音声が聞き取りにくい、表情、反応がわかりにくい等、今後改善すべき課題もあります。

 一方で、時間や交通費の節約、またこれまでいろんな事情から参加できなかった方の参加が可能になったことも、この状況下で得られた大きなメリットではないでしょうか。今後、先の課題を含め、コミュニケーションをどう深めるかが鍵になりそうです。

 また、医療現場のマスクやグローブ等、感染予防器材の備蓄が不足するという重大な事態も経験しました。こうしたことから、平時においても、非常時を見据えての感染予防器材の確保など、今後も政府、自治体に訴えていかねばなりません。

 私たち医療従事者は、住民のマスクやワクチンに対する過信にも正確な情報を発信していかねばなりません。マスク着用により口呼吸が助長されること、そして口呼吸による感染リスクの増加、またワクチン接種による感染対策軽視の傾向等、住民に注意喚起していくことが重要です。

 また、マスク着用により子供たちの表情が乏しくなったとの指摘もあります。学童期の、感受性の熟成への弊害についても、今後取り組む必要があろうかと思います。  

 コロナ禍がもたらした社会や経済の変化は、収束後も完全に元に戻る事はもはやありえないでしょう。

新しい時代に向けて医療はどうあるべきか、住民のニーズにどう応えるかなど、当会では、その時々の状況に応じ最善の策を実行してまいります。

 なお私ごとではありますが、これまで協会の体制は不文律として会長の任期は4年で引き継がれてきましたが、今期私は会長5年目となります。これは、昨年コロナ禍で本来の協会活動を全うできなかったため、つまり会員の皆様に対し満足のいく活動ができなかったとの思いから、もう一期、微力ながら皆様の納得のいくような活動をさせていただければと思います。

 今後とも、会員皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

■群馬保険医新聞8月15日号