【論壇】対COVID-19

【2021. 9月 16日】

「コロナは続く どこまで続く」

 新型コロナウイルスは、一国で抑えられたとしても、他国との関係を絶たない限り、また新たな変異株の襲来により再燃を繰り返すことでしょう。適応出来る人は生き残り、そうでない人は淘汰されるという、シンプルな自然の掟に、しばらく晒されるのです。

 再燃を繰り返しながら、徐々に自然免疫を獲得し、相対的に弱毒化し、やがてインフルエンザ的なものに落ち着いて行くのだろうと想像されます。

「自分の命は自分で守る」

 新型コロナウイルスと対峙する時、根本的な対処法はワクチンでも薬でもなく『宿主の強化』であると思います。

 言葉通りにステイホームをしていると、フレイルが加速して余計に重症化リスクの上昇を招きます。人混みを避けるという原則を守りつつ、出来るだけ外に出て活動的な生活を送る工夫が大切になります。

 朝のウォーキングで太陽を浴び、ビタミンDやセロトニンを増やし、休日は家族で釣りやハイキング、森林浴をし、野外でお弁当をひろげ、楽しい時間を過ごす。喫煙・深酒を戒め、肥満を解消し、基礎疾患の改善に取り組む。適度な運動と休養と睡眠。無理をしない。楽しくストレスの少ない生活を送れるようにする。

「抵抗力や免疫力を上げる食事を心がける」

 杏林予防医学研究所長の山田豊文先生は著書の中で、「牛乳や乳製品は、百害あって一利なし」、「牛乳は骨を弱くし、全身の細胞の環境を悪化させる」と記しています。

 病院食であれば、牛乳・ヨーグルト・チーズを廃止し、豆乳・豆腐・納豆・湯葉・ゆで卵に変え、良く噛むだけで、体中の細胞の環境が改善される訳です。

①乳製品の摂取を0にする ②グルテンの害を回避する  

ために小麦製品の摂取量を控える

③オメガ3オイルを毎日適量摂取する

この3つに取り組むだけで、相当に良質な細胞が造られるようになり、かなりの体質改善が期待出来ます。

 緑黄色野菜・果物・種子類・ナッツ・ベリー・きのこを積極的に摂取し、最高の栄養素であるファイトケミカルを充分に取り込むと、抵抗力と免疫力が飛躍的にアップするでしょう。

「発症も重症化も自分で防ぐ」

 新型コロナウイルスに曝露しても、すぐに感染して発症する訳ではありません。

「舌の上と、舌の奥の方の喉で一旦増殖し、ある程度まとまった数になったウイルスが、夜中のイビキ等による誤嚥で気道に落ちて発症する」というパターンが多いと思われます。

①毎日の歯磨き

②舌の上の舌苔(ぜったい)を優しく舌磨き

③舌の奥の方の喉のガラガラうがい 

 この3つの対策を実行することで初期の増殖を阻止できれば、発症はかなり防げるでしょう。

 みらいクリニック院長・内科医の今井一彰先生は「あいうべ体操」を指導し、口呼吸を鼻呼吸に変えることで、インフルエンザを予防し、学級閉鎖を皆無にしています。

 鼻呼吸により口の中の乾燥が解消され、自律神経が整えられ、体調が良くなると共に、鼻粘膜・気道・気管支・肺胞が保湿され粘膜本来の免疫力が発揮されます。口呼吸に比べ150%以上、酸素の肺への取り込み量が増え、鼻粘膜から出る一酸化窒素が血管や気管支を広げ、血流を促進してくれます。

 体の隅々にまで新鮮な血液と酸素が供給され、細胞がますます元気になり、重症化防止に繋がります。

 日本人の10人中9人までが口呼吸をしているとのことで、大きな改善効果を与えるでしょう。

「広く情報発信を」

 人流の抑制を叫ぶことも大切かもしれませんが、新型コロナに対抗可能な健康知識の情報提供は、出来ることの一つと思います。

 新変異株のたびに右往左往しなくて済むのが理想です。普通に自立歩行が可能な人であれば『宿主の強化』のみで何とか乗り切れるでしょう。

 こうした事に皆が取り組むことで、健康な体になり、蔓延を阻止、医療資源を節約し、少しでも医療崩壊を防ぐことに繋がればと思います。

(広報部部長 大国 仁)

■群馬保険医新聞2021年9月15日号