【論壇】コロナ禍が2年過ぎて

【2022. 2月 15日】

 未だ世の中は新型コロナウイルス関連のニュースで溢れている。それもそのはず、新型コロナウイルスが国内で確認されてから2年が過ぎたが、ワクチンの効果などで感染爆発まではいかないが、収束のめども未だ立っていない。

 悲観的な展望はさておき、この2年の様々な経験などから、徐々にではあるが新型コロナウイルスの特性が明らかになってきた。といっても画期的な治療薬はまだ普及している状態とはいえず、現状では新型コロナウイルスワクチン頼みとなっている。

 3回目のワクチン接種。いわゆるブースター接種を早急に行うことが、今できる唯一の方法ともいえる。だが、そのワクチンさえも変異株出現により、効果が少なくなってきており、このことも収束が遅くなっている要因でもある。

 この原稿を書いている1月下旬の段階では世界的にオミクロン株の感染拡大が凄まじく、アメリカ、フランスなど複数の国では連日数十万人の感染者が出ている。また、日本でも感染が急激に拡大し、日々ニュースの上位に位置している。

 これまで諸外国に比べて感染予防が励行されてきたのは、日本人の真面目さにあると思う。手洗い、マスクの着用、アルコール消毒などほとんどの人が徹底し、社会全体で感染が拡大しないように一人ひとりがかなり気を付けているからだと思う。

 その反面、同調圧力が多く、マスクをつけないで外出しようものなら、周囲から後ろ指をさされる。そのため、周囲に人がいない屋外でもマスク着用、一人で車を運転している時でもマスクをつけて運転するなど、行き過ぎの面もあるのではないだろうか?

 特に感染してしまった人が周囲に「ご迷惑をおかけして…」などと謝罪する姿は、感染者が悪者のような印象さえ受ける。芸能人など感染者が謝罪することは、基本的に止めた方がよいのではないか。

 源流を辿ると元は新型の風邪なので、風邪を引いだけで周囲から糾弾されたり、噂が拡がり今いるコミュニティーから追い出されるようなことがあってはならない。コロナに感染すること自体には何の罪もない。

 現状、新型コロナウイルスにはインフルエンザのような特効薬がなく、基本的には対症療法のため、ハイリスクな人が重症化すると死亡率はインフルエンザよりも高い確率である。

 新型コロナ以前のインフルエンザは毎年約1000万人が感染していたが、コロナ後ほとんど感染者がいなくなった。これはコロナウイルスの流行により、インフルエンザウイルスが一時的にではあるが駆逐に近い形になっているか、徹底したコロナの感染予防により、インフルエンザウイルスの感染拡大要因が非常に少なくなったためか、またはその両方が原因であるかである。

 インフルエンザは季節性ウイルスであり、冬の寒い季節に特に注意を払えば、他の季節は普通に生活ができる。そのため、今までそれほどクローズアップされていなかったと思う。それに対して新型コロナウイルスの質の悪いところは、1年中感染力が強いことや接触、飛沫感染のみならず空気感染する可能性が高いことである。

 ウイルスの基本的変異には、感染力が増大して毒性が下がることがある。この法則が仮に成り立つとすれば、今のオミクロン株や次の変異株あたりで普通の風邪に格下げされる可能性もあるのでないか。

 コロナ禍における日本のこれからの政策は、欧米のように感染拡大はある程度許容し経済を回していくか、中国、オーストラリアのように感染対策を厳重に行い、感染を拡大させない事を目指すか岐路に立たされている。いずれにせよ日本社会はどのように新型コロナウイルスと向き合い、どのように日本全体でウイルス対策と経済対策を講じていくかが今後の最大の課題だと思う。

 最後にマスコミの報道は視聴率を上げるために構成を組む。そのため感染が収束しているときは経済が困窮するから行動制限を広げろと言い、

 感染が拡がると何曜日過去最高とか、前週の何倍とか、特に視聴者が興味を引くような数字を強調して放送している。スタジオやロケでの収録はノーマスクでしているにもかかわらず、街中で飲食している姿を放送し、あたかも感染拡大防止を促しているような放送をしているが、まずはマスコミやTV等の出演者がマスク付けて収録すべきではないか。その矛盾には触れられていないが、そうなることを願いたい。

 人は自分の信じたいものを信じて、信じたくないものは信じないので、あちこちから入る情報をよく吟味して冷静な判断の基に日々行動することがとても大切である。

(地域対策部長 亀山 正)

■群馬保険医新聞2022年2月15日号