2023年1月
新年のごあいさつ
年頭所感
群馬県保険医協会 会長 小澤 聖史
みなさまに新年のご挨拶を申し上げます。
昨年も新型コロナウイルス感染症が全世界を駆け回り、群馬県でも第8波が押し寄せ医療現場を圧迫しているのはご存じの通りです。
しかし、コロナウイルス株も変異を重ね、以前と比べると致死率が下がってきているようです。政府の資料によると、デルタ株が主流だった昨夏の第5波で、60歳以上の致死率は2・5%でした。これが、昨年7月ごろから始まったオミクロン株の派生型「BA・5」による第7波では0・48%となり、季節性インフルエンザの0・55%とほとんど差がなくなってきています。
マスクに関しても、ヨーロッパ、アメリカ等では、街を歩く人を見ても着用している人が少なくなり、必要ないとの意見が多くなりました。新しいコロナウイルスとの共存が始まっていると感じます。
ワクチン接種も進み、塩野義製薬が開発した国産初の飲み薬「ゾコーバ」が年末に緊急承認されています。処方時に他剤との併用に注意しなければならない等、まだ簡単に処方できる物ではなさそうですが、インフルエンザの内服薬と同じように開業医でも簡単に処方でき、治療が確立すれば、今年中にもコロナウイルスの感染症法の分類は2類相当から5類へと引き下げられるでしょう。
また、今年から始まるマイナンバーカードの健康保険証利用及びオンライン資格確認は、医療界に大きな波紋を引き起こすことと思います。他協会では、オンライン資格確認が義務化になるなら閉院を考えていると答える高齢の先生が1割前後いる調査結果もあります。使用機器の導入には国の補助を受けられますが、4月までに機器の納入が間に合わない、インターネットの工事が間に合わないとの声も聞こえてきます。
日本医師会では、4月の完全義務化の延期を求めて、オンライン資格確認等システム導入の経過措置等要望のためのアンケート調査を始め、経過措置を認めてもらう考えのようです。
保険医協会も、完全義務化に対する反対行動を各地の協会や保団連で起こしており、署名活動や国会行動を通して、導入による医師の窮状を粘り強く政府に訴えていきます。
海外ではロシアによるウクライナへの侵攻が依然続いています。ロシアもこの戦いを戦争と認め始めましたが、この戦争のために世界各地で引き起こされているエネルギーの高騰、食料品の不足や高騰等はまだまだ続く問題であります。
私たち群馬県保険医協会は、すべての医師が、今までのように安定した医療を患者さんに提供できる環境を整えるため、これからも活動していきます。
本年も群馬県保険医協会を、どうぞよろしくお願いいたします。
■群馬保険医新聞2023年1月15日号