新年を迎えて

 会員の皆様におかれましては、すがすがしい新年をお迎えのことと存じます。

〈2023年を振りかえって〉

 昨年は事務局員も増え、医療運動、物価高騰対策、研究会・講習会など多くの活動をしてまいりました。

【医療運動】

 医療運動では、様々な署名活動やアンケート調査を行いました。中でも「オンライン資格確認トラブル実態調査」では、結果を県庁記者クラブへプレスリリースをしたところ、多くのマスコミがこれに注目し、新聞5社、群馬テレビ、FM群馬等で取り上げられました。

 このプレスリリースを基に日本共産党、群馬維新の会、リベラル群馬の県議、前橋市議と懇談会を開きました。マイナ保険証に関してはまだまだ多くの問題があり、今後もトラブルが見込まれる事から、引き続き意見交換をしていくことを約束しました。

 また、「現行の保険証を残してください請願署名」は、医療機関だけでなく、多くの患者さんからも署名をいただき、保団連の国会行動を通して衆議院・参議院議長へ提出しました。

【物価高騰対策】

 当協会では「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」等を活用した医療機関への財政措置の実施要請書を、5月17日に県内の35自治体(群馬県を含む)へ提出しました。6自治体から回答があり、実施予定は群馬県の1自治体のみでした。

 この交付は群馬県の「物価高騰対策に取り組む医療機関・薬局等支援給付金」であり、病院・有床診療所は1床あたり2.5万円、無床診療所・歯科診療所は1施設あたり8.5万円の給付金が支給されました。

 電気代等の高騰は多くの診療所、病院で問題となっていますが、まだまだ自治体からの医療機関への対策は足りていないのが実情です。

【研究会・講習会】

 昨年は4回の講習会を開催しました。毎年行っている「歯科の施設基準に係る講習会」をはじめ、10月に開催された講習会では、「保険診療の理解のために」と題し、講師に関東信越厚生局歯科指導医療官 南二郎氏をむかえ、保険診療に対する問題を指導医療官から直に聞く機会を設けることができました。

 また、新たな試みとして、歯科の口腔内スキャナー体験会を開催しました。最新の口腔内スキャナーを実際に体験でき、参加した会員からは大変好評でした。

【その他の活動】

 個別指導対策では、個別指導時の弁護士帯同を勧めています。昨年も希望される会員は弁護士を帯同し、安心して個別指導を受けています。

 文化活動では、7月に第31回保険医写真展を群馬県生涯学習センターにて開催しました。73点の写真が集まり、多くの人に足を運んでいただきました。

〈2024年に向けて〉

 4月に行われる診療報酬改定は、6年に一度の医療・介護・障害福祉サービスのトリプル改定となります。さらに今年は初めて4月に改定され6月に実施となります。

 財政制度等審議会は、財務省建議で診療報酬改定について重点的に記述し、特に診療所の報酬単価については「5.5%程度引き下げるべき」としました。診療報酬の引き下げは医療の質の低下に繋がりかねず、現在の医療機関の実情に合わない話です。

 今回の診療報酬改定において、現在厚生局は検討会を行う予定は無く、これに伴い医師会での検討会も開かれないようです。その中で、当協会では今年も新点数検討会を開き、会員の皆様が安心して診療報酬改定後の医療ができるようにしていく予定です。

 12月2日には現行の保険証の廃止が待っています。医療機関だけでなく患者からも多くの問題が噴出していますが、まだまだ根本的な解決はされていません。マイナンバーカードの保険証は利用したい人だけ利用し、現行の保険証も残す方法を模索するべきです。

 群馬県保険医協会は会員の皆様が安心して医療を提供できるようサポートしてまいります。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。(会長 小澤 聖史)